黄海で中国原子力潜水艦事故。仕掛けた罠に自分でハマった!?

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中国からもイギリスからも公的な情報は出ていませんが、『The Times』『Daily Mail』はイギリスの機密報告書の記載によると……と報じています。


↑原子力潜水艦で少なくとも55人が亡くなる事故が発生したと伝える『Daily Mail』の記事・紙面/スクリーンキャプチャー


↑同じく事故を報じる『The Times』の記事・紙面/スクリーンキャプチャー

両紙とも、

2023年08月21日(現地時間)、黄海において、中国人民解放軍の原子力潜水艦「093-417」がチェーンとアンカーによる障害物に衝突。これによってシステム障害が発生し、船の修復と浮上に6時間を要した。船内の酸素システムが致命的な故障を起こし、少なくとも船員55人が死亡した

――と報じています。

この障害物というのは、中国軍が、アメリカ合衆国と同盟国の潜水艦を引っ掛けようとして設置した罠とのこと。つまり、自分で仕掛けた罠に自ら引っかかったというのです。

犠牲者となった55人は、

士官:22名
士官候補生:7名
下士官:9名
船員:17名

の内訳で、この中に艦長であるXue Yong-Peng大佐が含まれていた――としています。

読者の皆さまもご存じかもしれませんが、実は台湾海峡で中国の原子力潜水艦が事故った、という情報は出ていました。しかし、アメリカ合衆国は「事実確認が取れない」としていました。また、中国、台湾も否定しました。


↑2023年08月24日付け『捜狐』の記事。「黄海で中国の原子力潜水艦が事故というのは虚偽」という記事/スクリーンショット

その後、「台湾海峡ではなく、黄海で起こったことだ」という情報が流れ、傍証として「合衆国の偵察機が黄海近辺を飛行していたという話が出ました。


↑メディアに報道された「その日」のWC-135の飛行経路/『flightradar24』より/スクリーンショット

飛行追跡サイト『flightradar24』の情報によると、合衆国軍の「64-14831」WC-135が、09月06日早朝に中国沿岸部に飛来し、最終的に浙江省台州市の沖合で東に旋回し……沖縄の米軍嘉手納基地に帰還しています。主な経路は、黄海と東シナ海の偵察であり、原子力潜水艦事故の噂と場所が一致する――とされました。

WC-135は大気中に含まれる微量の放射性粒子をリアルタイムに探知できる能力を有しています。

さらに「原子力潜水艦の乗組員が任務を終了したにもかかわらず家に戻っていない」という情報が出たのです。

09月中旬には、中国語メディアで、「当初は08月末に基地に戻る予定だった。09月初旬には休暇で帰国する予定だった同艦の士官や兵士の家族から疑問の声が上がっている」という記事が出て、「何かあったことは間違いない」とされていました。

――といった経緯を経て、今回の報道です。

『Daily Mail』によれば、情報について英国海軍に照会したが、公式関係者はコメントや情報の提供を拒否した――としています。

中国は現在国慶節の最中で政府機関も基本お休み。休み明けに、中国外交部はイギリス紙の報道にどのような反応を見せるでしょうか。あるいは「だんまり」を決め込むでしょうか。

(吉田ハンチング@dcp)

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