「うん、だからずっと言ってるよね」という報道が韓国メディア『朝鮮日報』に出ました。『中央日報』にも「送電線がないのが国家的課題に」という間抜けな記事が出ています。
『朝鮮日報』の記事の冒頭だけ引用すると以下のような具合です。
622兆ウォンを投入して京畿道平沢・華城・華城市・龍仁・利川などに造成する世界最大規模の半導体クラスターが工場を造り終えても、このままでは電気がなくて稼働できない状況になる可能性があるという警告が出ている。
わずか12年後には大規模な電気を東海岸と湖南から送電しなければならないが、送電線路は具体的な建設計画すら確定していない。
(後略)
送電網・変遷設備について、2010年代初頭からずっと揉め、遅々として進まなかったのを重々分かっているくせに、韓国政府は「世界最大規模の半導体メガクラスターを整備する」などという、絵に描いた餅を発表しました(しかも北朝鮮の火砲の射程圏内)。
世にもあほらしい話ですので、Money1でも「だから、できないってば」とご紹介しましたが、韓国メディアも今になって「送電網が足りないよね」などと言い出す始末です。
もう何度だっていいますが、「分かっていた話」です。
突貫工事で工場を進めても電気がこないのでは、動きません。『朝鮮日報』の記事は「電気インフラの整備が焦眉の急」と以下のように書いています。
(前略)
04日、政府と業界によると、2047年までに16の半導体工場が新設される京畿南部クラスターでは、3年後の2027年に5つの工場が完成する。必要な電力需要だけでも原発3~4基規模に達する見通しだ。
すでに完成予定時期を5年過ぎた東海岸-新加平線路(送電線です:引用者注)が2026年にも稼働が不透明であることを考えると、首都圏の電力大乱は目前に迫っているという指摘がある。
(後略)
当たり前ですが、電力供給が十分でないのに大量の電力を消費すればブラックアウトが懸念されます。
李明博(イ・ミョンバク)大統領の時代には、ブラックアウトが起こり大統領自身が電力会社に「お前らは何をやっとんじゃ!」と怒鳴り込んだ――という傑作な伝説が残っています。
半導体ファウンドリーが稼働している最中に、電力供給が瞬断でもしたら――阿鼻叫喚の大変な事態になります。
電力供給がただでさえ大変な首都圏近くになぜ半導体メガクラスターを造るのか、そもそも意味不明です。水や電気など、ロジスティクスの基本部分を全く考えていなかった、といわざるを得ません。
韓国では「地方を活性化させねば」――と主張しているのですから、それこそ日本の熊本のように、地方に半導体製造拠点を造ればいいのです。できるだけ北朝鮮から離れた、水が豊富にあり、電力も安定して供給できる場所を選べばいいのです。
韓国というのは、気ばかり焦ってろくなことはしない国です。
(吉田ハンチング@dcp)