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韓国人は錯覚を喜んでいる「韓国は1人当たりGNIで日本を抜いた」

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韓国が統計基準を変更し、これによって政府負債対GDP比などの数字が好転しました。しかし、これは錯視現象のようなもので、実際に負債額が減ったわけではありません。

2023年のGNI(Gross National Incomeの略:日本語では「国民総所得」と訳されます)が算出され、1人当たりにすると日本を抜いた!となっているのですが、ここにも錯覚があります。

それは――「1人当たりのGNI」といっても、実際に1人当たりがその金額をもらっているということにはならない――つまり、国民1人ずつがそれだけ所得があることを意味してはいない――という点です。

別に筆者がそう言うのではありません。

韓国メディア『中央日報』の記事でもきちんと指摘されています。以下に記事から一部を引用してみます。

(前略)
1人当たりGNIは、GDPに国民の海外所得を加え、外国人の国内所得を引いた値を人口数で割った値である。

GDPをベースにしているため、家計だけでなく、企業や政府が稼いだお金まで含めた所得を計算する。

分ける際(乗算する際)には、主婦や子供、退職者など、お金を稼いでいない人口まで含める。同じように稼いでも人口が減れば1人当たりGNIを増やす効果がある。

したがって、1人当たりGNIを国民が体感する実際の所得と混同してはならない。

例えば、昨年の1人当たりGNIを1ドル当たり1、300ウォンを適用して換算すると、4,700万ウォン水準だ。

4人世帯基準で1億8,800万ウォンに達する。

統計庁の「2023年家計金融福祉調査」によると、4人世帯の年間平均所得(6,762万ウォン)の3倍に達する。所得上位10%の4人世帯の所得(1億1,447万ウォン)とも差がある。

高い物価の影響も考慮しなければならない。

今年第1四半期の実質GNIは前期比2.4%増加した。しかし、同じ期間、実質家計所得は1.6%減少している。

物価上昇率が3%台を記録したためだ。

日本と比較するのも錯覚に注意しなければならない。

日本円は記録的な円安を示している。円の価値が下がり、ドル基準のGNIが減ったように見えるだけだ。

韓国がよくやったからというよりは、ウォンの通貨価値の下落程度が円に対して相対的に低かった影響を受けたと見るべきなのだ。
(後略)

⇒参照・引用元:『中央日報』「일본은 꺾었지만…1인당 국민총소득, 10년째 3만 달러대 왜」

非常に冷静な指摘で、かつ正しいです。

1人当たりのGNIが日本を抜いたなどと報道されていますが、しかし韓国民1人当たりの所得が日本を抜いたという話とイコールではないのです。

韓国の皆さんは、日本に勝ったと喜んでいるかもしれませんが、では1人当たり「4,700万ウォン水準」をもらっている人が何人いるのでしょうか? 韓国人に聞いてみても「嫌、オレはそこまでいってないけど……オレ以外に誰かはもらっているんだろう」という話ばかりが出ることになるでしょう。

また、『中央日報』が指摘するとおり、対日本円でウォン高が進行しているという点も見逃してはなりません。ウォンより円の方が安くなっていますので、ドル建てで計算すると日本の方が所得が少なくなるのです。


↑日本円・韓国ウォンの日足チャート(チャートは『Investing.com』より引用:2024年23時46分現在)。以前にもご紹介したことがありますが、ウォンは対円で空前の高値レベルにあります。なぜ「このラインを超えると……」と言えるかというと、韓国が金融危機を迎える直前には凶鳥まがとりのように対円のウォン高現象が現れるからです。

実際の所得水準というのは、以下の記事でご紹介したとおり、韓国の方が日本より(2021年の中央値ベースで)約31.9%低いというのが肌感覚に最も近いのではないか――と筆者は考えます。

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(吉田ハンチング@dcp)

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