「金」の積立ってどんなもの?

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テレビなどでもでよく「金の積立」のCMを見ることがあると思います。さて、こうした「金の積立」というのはそもそもどんなものなのでしょうか? また金の資産運用はお得なのでしょうか?

■純金積立は本当に金を買っている!

今回、お話を伺ったのは「純金積立」のCMでおなじみの田中貴金属工業の広報・渡辺さん、貴金属リテール部の田村さん、前田さんです。

――そもそも純金積立とはどういったものなのでしょうか?

田村さん 「純金積立」ですが、弊社の場合複数の種類があります。

●純金積立
電話や書面やり取りで金の積立を行うもの。月々3,000円から1,000円単位で積立が行える。

●net純金積立(通称:G&Pプランナー)
インターネットを介して金の積立を行うもの。金だけでなくプラチナの取引も行える。月々1,000円からの積立が可能。

以上の2種類がございます。

前田さん よく間違われるのですが、例えば月々の積立金額を3,000円と設定した場合、1日で3,000円分の金を買うのではありません。3,000円を弊社の営業日数で割って、1日当たりの購入金額を出していき、その1日の購入金額で金を購入しています。

――毎日少しずつ金を買っているということになるのですか。

前田さん そうですね。そして最終営業日にちょうど3,000円分の積立が完了する、という仕組みです。

――なるほど。純金積立というのはそういうものだったのですね!

前田さん ただし、金の価格は毎日変動していくので、同じ3,000円分でも月ごとに購入重量が異なります。

――毎日同じ金額ではなく、毎日同じ重量を購入する形とはどう違うのでしょうか?

前田さん 毎日同じ重量を購入するのではなく毎日同じ金額で購入する方が金価格が高いときには少なく、安いときには多く金を購入することになり平均購入単価を抑えることができます。これを「ドル・コスト平均法」といいます。

――例えば3,000円だと、1カ月でどれくらいの金が買えるのでしょうか?

田村さん 今の相場だと、ざっと計算して0.61グラムといったところでしょうか。
※取材日12月17日税込み小売価格¥4,911

――グラム数は少ないですが、「金を買っているんだ」という実感は湧きそうですね。金の積立を行った場合、購入した金は現物で受け取ることはできるのでしょうか?

前田さん 購入いただいた金は、

・現金化
・地金・コイン(現物)
・ジュエリーなどとの等価交換

という3つの形でお渡ししています。

田村さん 純金は毎日現物を購入していますし、きっちりと保管しています。いつでもお渡しできる状態です。

――「書面上での金のやりとり」だと勘違いしている人も多いと思いますが、そうではないのですね。

■金は金利などが付かない分、安定している

――先ほど、金の価格が日によって違うということでしたが、金の価格が上下する要因にはどんなことがあるのでしょうか?

渡辺さん 日本の金価格は、毎日の海外相場とリンクしながら決定されます。海外相場は米ドル建て価格で発表されますが、日本は円建てで発表されます。したがって、日本国内で発表される金価格は、海外相場の値動きだけでなく、ドル円為替相場の変動によっても変わります。つまり、米ドル建て価格が変動しない場合、円安になると金の価格は上がります。逆に円高になると下がるということです。

田村さん 基本的に金の取引はニューヨークやロンドンなど海外が中心で、取引もドル建てベースで行われています。簡単にいうと「金を日本に輸入する」という形なのです。そのため為替のレートが金価格に影響するのです。

――為替は金価格にとって重要な要素なのですね。

田村さん 為替も重要ではありますが、為替の影響以上に金そのものの需要が多ければ米ドル建て価格自体が上昇するので、日本国内での金取引の価格は上昇します。

――ここ数年での「金の価格」というのはどうなっているのでしょうか?

田村さん ドル建ての金の価格というのは、実はこの2、3年下がっています。

――そうなのですか!?

田村さん 「金」はどれだけ所有していたとしても「金利」が付きません。これは最大のデメリットといえるでしょう。それに比べると株、国債などの金融商品は、金利や配当などが付与されるメリットがあります。世界的に株式市場などが盛り上がると、やはり皆さん金利の付かない金ではなく、株や国債などの金融商品に投資するのです。そうなると、金の需要が下がってきます。ここ最近は日本だけでなく世界の株式市場も上昇しています。金を持っていた人たちも金を現金化して、別の金融商品に投資しているため金の価格が下がってきているのだと思われます。

――株や国債と比べると金利や配当がないデメリットがあるとのことですが、反対にメリットはどんなことがあるといえますか?

田村さん やはり一番は「発行体リスクがない」ことでしょう。株式の場合は、発行体が駄目になってしまえば株券の価値もなくなります。しかし金はたとえ国が駄目になろうが会社が駄目になろうが、その価値がなくなることはありません。過去6000年くらいの歴史の中でも金の価値がゼロになったことはありませんからね。他の金融商品に比べると、そういった優位性が金にはあると思います。

――「金は安定している」といわれるだけありますね。金とプラチナを比べるとどうなのでしょうか?

田村さん 今は金もプラチナも価格は変わりません(※取材日12月17日)。ただし、金は宝飾品として、プラチナは工業用としての需要が高いという特徴があります。これを理解していただいたうえで、積立を始めてほしいですね。

――なるほど。金とプラチナそれぞれ特徴があるのですね。

■金は長期保有することが大事!

――純金積立をする方というのは増えているのでしょうか?

田村さん 増えていますね。特にnet純金積立をする方が増えています。

――net純金積立をするにあたり、資格などは必要ですか?

田村さん 20歳以上で、自分で投資判断ができる方なら問題ありません。また、基本的に毎月積立をしていただくということが条件になります。

――先ほどnet純金積立は1,000円から積み立て可能と伺いましたし、そんなに条件や金銭面が難しいものではないですね! これから純金積立を始めようという人に、何かアドバイスはありますか?

田村さん アドバイスをするとすれば、「金を購入するということの最大の目的は、短期間でもうけるためではない。」ということでしょうか。あくまで金は「何かあったときの保険」として考えていただきたいですね。

渡辺さん あと、「長期保有」していただくことを考えていただきたいです。純金積立は知らないうちに金を購入できているというのも魅力です。辛抱強く待つことも大事ですね。

純金積立は、思ったよりも簡単に始められることが分かりました。他の金融商品に比べると金利や配当が付かないデメリットはありますが、少額で積立が始められ、なおかつ価値が安定しているといわれる金が手に入るのは魅力です。

資産保全に興味がある人は、こうした純金積立も選択の一つに考えるといいですね。

田中貴金属 ネット純金積立のページ

(中田ボンベ@dcp)

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