韓国の経常収支「91億ドルの黒字」。外貨準備増減は累計「-98億ドル」

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2025年05月09日、『韓国銀行』が「2025年03月の国際収支統計」を公表しました。


↑黄色のマーカーが2025年03月の経常収支。

2025年03月
貿易収支:84億9,310万ドル
サービス収支:-22億1,370万ドル
第1次所得収支:32億3,240万ドル
第2次所得収支:-3億6,720万ドル
経常収支(上記4つの合計):91億4,460万ドル

⇒データ出典:『韓国銀行』公式サイト「ECOS」

当月は貿易収支が「84億9,310万ドル」あり、第1次所得収支が「32億3,240万ドル」ありましたので、経常収支が「91億4,460万ドル」と大ききくプラスになりました。

経常収支が大きいということは、その背後で金融収支も大きくなっていることを意味します(国際収支統計の仕組みで経常収支≒金融収支)。

当月の金融収支で面白いのは、外国との融資の取引を計上する「その他投資」です。


↑黄色のマーカーでフォーカスしているのが金融収支の中の「その他投資」。2024年12月からマイナスを続けています。

その他投資は、2024年12月から4カ月連続でマイナスを記録しています。これは、融資取引において韓国の資産が減少を続けていることを意味します。

当月のその他投資がマイナスになったのは、資産の部に原因があります。

「その他投資」の「資産の部」を見ると、当月は一気に「-58億1,860万ドル」となっているのです。

その他投資・資産の部 2025年03月
長期融資:-4億5,260万ドル
短期融資:-53億6,600万ドル
小計:-58億1,860万ドル

韓国にとっての資産が約58億ドル減少しているのですが、要するに外国に行った融資を約58億ドル返済してもらったことを意味しています(つまり韓国にとってはキャッシュイン)。

もう一つ、面白い点は「外貨準備の増減」です。以下をご覧ください。


↑黄色のマーカーでフォーカスしてあるのが2025年01~03月の「外貨準備の増減」です。

2025年に入ってから外貨準備の増減はマイナスを続けています。外貨準備を積めないというわけで、01~03月の累計は「-98億6,230万ドル」。

――というわけで、また「残酷な四月」が巡ってきます。2025年04月の国際収支統計がどうなるかにご注目ください。

04月は外国への配当支払いが集中するため「第1次所得収支」がマイナスに転じ、経常収支も赤字になりがちなのです。そのため、いささか詩的な表現ですが、韓国では「残酷な四月」といわれることがあります。

(吉田ハンチング@dcp)

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