中国自動車業界「公正な市場競争をしよう」えっ?

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2025年05月30日、中国共産党の御用メディア『CCTV』が面白い報道を出しました。


↑『中国自動車工業協会』の公式サイト/スクリーンキャプチャー

『中国自動車工業協会』が、自動車業界内の「内卷」に対して、重要な提言を発表。企業は無秩序な「価格戦争」を取るべきではなく、公平な競争秩序を維持すべきとした――というのです。

「内卷」というのは、は「無駄な競争」「消耗戦」「過剰競争」といったニュアンスで広く使われる言葉です。

特に業界内や学校、職場などで「やってもやっても実質的な利益がないのに、みんなが必死に努力や競争を繰り返す状況」を指す言葉です。

中国人は、何でも・どんな市場でもスグにレッドオーシャンにしてしまいますが「自動車業界でそれはやめようよ」というのです。

『中国自動車工業協会』が出した具体的な提案というのが以下です。

(前略)
一、すべての企業は公平競争の原則を厳格に順守し、法令・規則に基づいて経営活動を行うこと。

二、優位な企業は市場を独占したり、他の主体の生存空間を圧迫したり、他の経営者の合法的権益を損なったりしないこと。

三、企業は法に基づいて商品の値下げ処理を行う以外に、コストを下回る価格で商品を投げ売りしたり、消費者を誘導する虚偽の宣伝を行ったり、市場秩序を乱したり、業界および消費者の根本的利益を損なったりしないこと。

四、すべての企業は国家の関連法令に照らし合わせて自己点検・是正を行うこと。

近年、わが国の新エネルギー自動車産業は急速に発展し、新エネルギー車の新車販売比率はすでに40%を超えている。

現在、業界全体の運営は安定しつつ良好な態勢を呈し、市場活力も持続的に放出されているが、無秩序な「価格戦争」を主要な表れとする「内巻式」競争は依然として業界の利益水準に影響を与えている。

最近では、個別の自動車企業が大幅な値下げプロモーションを仕掛けたことが業界全体の連鎖反応を引き起こし、企業の正常な経営を衝撃するだけでなく、産業チェーン全体にシステミックリスクをもたらし、最終的には消費者の長期的利益を損なう恐れがある。
(後略)

赤い下線の「個別の自動車企業が大幅な値下げプロモーションを仕掛けたこと」は、名指しこそされていませんが、明らかに『BYD』のことです。

隙あらば出し抜いてやろう、シェアを得るためなら赤字でも製品を売れ――というのが中国企業のやり口です。これが果たして中国自動車業界のレッドオーシャン化を防ぐのかどうか、要注目です。

(吉田ハンチング@dcp)

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