韓国の「KOSIS」の中に非常に興味に面白い深いデータがあります。
読者の皆さまもご存じのとおり、韓国では老齢者の貧困率が高く、また年金が安価なため定年を迎えても労働に従事する人が増加しています。
2025年04月時点で、60歳以上の雇用率がじわじわと上昇して「60.3%」に達しました。
一方で20歳代の雇用率は逆にじわじわ下がり「60.3%」まで下がっています。以下をご覧ください。
このままいくと、20歳代の雇用率と60歳代の雇用率がデッドクロスしそうになりました。
韓国ではどん底景気が続いているため、若い世代が雇用を見つけるのが難しくなってきていますが、それにしても60歳代の雇用率の方が20歳代よりも上ということになると……これはやはり問題です。
20歳代ではなく、15~29歳の雇用率で見ると――、
2025年04月の雇用率:45.3%(対前年同月比:-0.9%ポイント)
――で、12カ月連続で下落しており、04月としては2012年以来の最低水準です。
2024年05月時点で、青年層(15〜29歳)が学校を卒業してから初めて職を得るまでの平均期間は11.5カ月で、過去最長を記録しました。
韓国統計庁の「2025年04月雇用動向」によると、若年層(15〜29歳)の失業率は「7.3%」(前年同月比+0.5%ポイント)で、全年齢層では「2.9%」ですから、2倍以上となっています。
なぜ韓国の若年層は失業率が高い?
では、なぜ韓国の若年層は失業率が高いのでしょうか? 逆にいえば雇用率が低下してきているのでしょうか?
主な理由は4つあると考えられます。
❶新卒の就職難(初職までの待機期間の長期化)
2024年の調査で、大学卒業後、最初の職に就くまでの平均期間は約11.5か月で、過去最長。高学歴化により就職に対する期待値が高くなりすぎている。
賃金や企業規模、勤務地などの希望条件が合わない場合、非就業状態が長期化する。
❷企業の“即戦力”志向が強まっていること
少子高齢化と不確実な経済状況の中、企業は教育コストを抑えるために中堅経験者を優先採用する傾向が強い。
経験のない20代前半の若年層は、企業にとってリスクが高く、採用が後回しになりやすい。
❸「良い職」を待ち続ける構造
コンビニ、配達、アルバイトなど低賃金・不安定労働には就きたくないという価値観が広まりつつある。「공시족」(公務員試験受験生)や、「스펙 쌓기」(スキル・資格集め)に専念する若者も多い。
結果として「就職準備者」は増えるが、統計上は非就業者に分類され、雇用率は下がる。
❹経済成長率の低迷と新規雇用の減少
2023〜2024年の韓国経済は低成長局面(GDP成長率2%以下)にあり、製造業やIT関連企業の新規採用が抑制傾向。
高齢者雇用が「政府主導の直接雇用」(公共清掃、福祉補助など)によって増加する一方、若年層の新規雇用創出が鈍化。
先にご紹介したとおり「何もしない」という若年層が増加しているというのも、この雇用率の低下の一因となっていると思われます。
さらに懸念されるのは、アメリカ合衆国の高関税によって企業が外国(合衆国)に工場を移転し、これによって韓国内の雇用が減少することです。
考えてもみてください。若者が働かない国に未来があると思いますか?
韓国は衰亡していっています。
(吉田ハンチング@dcp)