中国の習近平総書記が雄安新区(Xiong’an New Area)を2年ぶりに訪問するという椿事が確認されました。しかも常任委員を連れてのことです。

↑中学校の教室に中国共産党の首脳部がいるという珍しい光景。
先にご紹介したとおり、雄安新区は習近平さん肝いりのビッグプロジェクト。
「国家級新区」※とされており、「国家千年の大計」と呼ばれます。
※「国家級新区」というのは、国務院の批准を経て設立される「国家の重大発展と改革開放戦略の任務を受け持つ総合機能区」を意味します。
早い話が習近平さんのメンツがかかったプロジェクトで失敗するわけにはいかないのですが、Money1でも先にご紹介したとおり、冴えないことになっております。

驚くような立派な(見た目)の高速道路、鉄道駅を整備したのですが、街は盛り上がりません。中央企業、大学、病院などの機関を移転させる必要があるのですが、この新しい都市にみな引っ越したがらないのです。
なぜ引っ越したがらないのかというと、まず政策主導の移転であり、市場で自然発生した需要ではない点を挙げなければなりません。
北京の「非首都機能」を行政主導で移すという話なので、「住めば都」の逆のインセンティブが働きます。現在住んでいる首都・北京で十分なのに、なんでそんなところに行かないとけないのか――というわけです。
第2にコストの問題があります。雄安新区は北京から約100キロ離れており、生活圏を丸ごと移すコストはばかになりません。
中国政府は、子供の教育、医療、住宅、社保、医保、公積金などを「北京と比べて低くしない」という「三个不低于」政策を前面に出していますが、逆に言えば、そこまで手厚い補完策を用意しなければならないほど、家族帯同の移転についてハードルが高いことを示しています。
今回の習近平さんの訪問ですが――「ちゃんとやってるんだろな」という視察に見えます。
『新華社』の記事によれば、習近平さんは「雄安新区建設の決定は全く正しかった」と述べています。自画自賛のお言葉ですが、水没しなければいいですね。
(吉田ハンチング@dcp)







