アクティブ・ファンドの場合には、ファンドマネジャーの腕にかなり影響され、しかも先の記事でもご紹介したように、利回りで市場平均を上回るのは容易なことではありません。ですから、現在多くの人が資金を投入するのは「インデックス・ファンド」なのです(ただし日本は除きます。日本人は証券会社・銀行のいいなりに、いいように利益も出ないアクティブ・ファンドに投資させられてきたので)。
しかし、長い歴史があり、リサーチの光が常に当たってきたアメリカの投資市場では、時にモンスター級のファンドマネジャーが登場することがあります。その一人が、フィデリティーの「マゼラン・ファンド」を驚異の利回りに導いた、ピーター・リンチです。
ピーター・リンチは1977-1990年の期間マゼラン・ファンドの運用を担当し、利回りは年率29%を達成。市場の平均利回りをなんと13%も上回ってみせたのです。彼がファンドマネージャーを務めた13年間でファンドの資産は2,000万ドルから140億ドルにまで膨らみました。ピーター・リンチの銘柄選択眼はまさに驚異的というほかはなく、「伝説の銘柄選択者(stock picker)」と呼ばれるのも当然のことでしょう。
このマゼラン・ファンドは現在も存続しています。ピーター・リンチが去った後のマセラン・ファンドは、ファンドマネジャーの交代、利回りの低下、インデックス・ファンドの台頭などがあって、往年の圧倒的なものではないという指摘もあります。しかしそれでも、マゼランファンドは「1年のトータルリターン:17.66%」「年初来リターン:13.07%」(2017年07月15日現在)という、日本人からすると「スゲー!」としかいいようのない利回りを達成しているのです。
(柏ケミカル@dcp)