先日インドで韓国企業『LG化学』がガス漏れ事故を起こしましたが、海外での事故といえばあの『ポスコ』を忘れるわけにはいきません。
同社は韓国最大の鉄鋼メーカー。韓国の輸出産業の一角を担っているのですが、トランプ大統領による「鉄鋼・アルミアウムの輸入制限」の際に大きな打撃を受けたことも記憶に新しいところです。
同社は「爆発」にご縁のある会社で、2014年02月にはインドネシアのクラカタウ・ポスコ製鉄所で爆発火災事故が発生。2019年12月には自国の光陽製鉄所で爆発事故を起こしています。
需要がないので高炉の操業を休止せざるを得ない
そんな『ポスコ』ですが、新型コロナウイルス騒動で高炉の操業が休止するという事態に追い込まれています。
製鉄業というのは難しいもので、いったん高炉を止めると再稼働するのにコストと時間が掛かるので、できるだけ「稼働停止」は避けたいのです。
しかし、今回の騒動で消費・生産が止まり、鉄を造っても需要がありません。そのため泣く泣く高炉の稼働を休止すしているという状況です。
早く事業を再開したいところですが、2020年06月09日、韓国メディアに「ポスコの高炉再稼働が延期になった」という報道が出ました。
『朝鮮日報(日本語版)』から一部を以下に引用します。
韓国鉄鋼大手ポスコは8日、新型コロナウイルスによる事態などで世界的に鉄鋼景気が後退していることを受け、一部の生産設備の稼働を中断し、遊休労働力に対する有給休業を実施することを決定した。
有給休業は1968年のポスコ創業以来初めてだ。これまでポスコは改修を終え、5月に再稼働予定だった光陽第3高炉の稼働開始を1カ月ほど先送りするなどして生産量を調整してきた。それでも不十分なことから有給休業というカードを切った格好だ。
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による(以下同)
というわけで、新型コロナウイルス騒動は韓国輸出産業の一角である製鉄業をも痛めつけています。高炉操業の再開も先送りですし、業績が回復するのにはかなり時間が掛かるでしょう。
(柏ケミカル@dcp)