韓国は輸出一本で食べている国です。つまり、輸出企業に力がなければ国が傾きます。
先にご紹介したとおり、07月も600億ドルを超えた輸出を達成。韓国の輸出企業は今も健在のように見えます。
しかし……なのです。
2022年08月02日、韓国メディア『ソウル経済』に興味深い記事が出ました。中小ベンチャー企業部の公表しているデータを基に分析したもので、輸出を担う中小企業が急速に消滅している――というのです。
以下に記事の一部を引用してみます。
(前略)
中小ベンチャー企業部によると、この3年で輸出中小企業2,270余りが消え、中小企業の海外輸出規模増加率も鈍化している。中小企業の輸出額は、2019年下半期の510億ドルから2022年の605億ドルに95億ドルの増加にとどまった。
一方、大企業は今年上半期の輸出額が2,258億ドルを記録し、2019年上半期(1,722億ドル)より536億ドル増えた。中小企業の5.6倍ほど輸出規模が大きくなったのだ。
中小企業の輸出が萎縮し、企業全体の1%を占める大企業への輸出集中が激化しているのだ。
(後略)⇒参照・引用元:『ソウル経済』「翼折れた中企… 輸出比重17.2%に墜落」
この3年で輸出を担う中小企業が2,270社余りも消え、大企業に輸出が集中するようになっている現状なのです。
次の数字が興味深いのです。
2019年上半期 ⇒ 2022年上半期
中小企業:18.8% ⇒ 17.2%
大企業:63.5% ⇒ 64.4%
全企業数のうちの1%しかない大企業が、全輸出の64.4%を占め、一方で中小企業は17.2%しかありません。
韓国経済は輸出でもっていますが、その輸出は極々わずかな大企業によって支えられているのです。
また、輸出額100万ドル未満の中小企業が、全輸出中小企業の87%を占めるのですが、これら企業だけが輸出額の減少となりました。
つまり、高物価・高金利などの悪条件の下、規模の小さい輸出企業だけがその影響を大きく受け、業績が振るわなくなっているのです。
これがまた、この3年間で中小企業が2,270社も消滅した理由の一つでしょう。
韓国は良くも悪くも大企業によって支えられている――という現実がこのようなデータにも現れています。しかし、99%を占める中小企業の輸出におけるシェアが落ちているというのは健全とはいえません。このままではますます大企業しか生き残れない国になってしまいます。
韓国は輸出一本で食べている国。しかも、その企業の生態系はとてもいびつなのです。
(吉田ハンチング@dcp)