皆さんも社会の時間にIMF(International Monetary Fundの略:世界通貨基金)について学んだことでしょう。「お金に困った国があれば援助してくれる組織」といった説明がされたのではないでしょうか。
確かに、IMFは「世界を股に掛ける高利貸し」であり、デフォルトに陥りそうになった加盟国に対して融資を行ってくれますが、その代わり金融政策についてぎゅうぎゅうと融資先の国を締め付けることでも知られています。
このIMFという組織は、面白いことに出資金によって「票」数が決まっています。出資額10万SDR※につき1票もらえる仕組みで、議案に対する議決は投じられた票数によって行われます。
例えば、2019年09月11日現在の出資額Top5は以下のようになっています。
第1位 アメリカ合衆国:83万1,407票/総票に対する割合:16.52%
第2位 日本:30万9,670票/総票に対する割合:6.15%
第3位 中国:30万6,294票/総票に対する割合:6.09%
第4位 ドイツ:26万7,809票/総票に対する割合:5.32%
第5位 イギリス:20万3,016票/総票に対する割合:4.03%
第5位 フランス:20万3,016票/総票に対する割合:4.03%
加盟国は189カ国で、総票数は503万1,614票になります。
ここで注目すべきは、合衆国が持っている票数です。重要な議題の議決には85%以上の賛成が必要とされますので、合衆国が賛成しなければどんな議案も否決され、事実上合衆国が拒否権を握っているわけです。
IMFが時に「合衆国財務省の支店」と揶揄されるのは、合衆国の支配が紛れもない国際機関であるためです。
※SDRについては以下の記事を参照してください。
⇒参照:『Money1』「中国の『元』は『国際通貨』を目指していますけども」
https://money1.jp/?p=1502
⇒参照:『Money1』「外貨準備高の基礎知識 日本と南朝鮮の外貨準備を見てみよう」
https://money1.jp/?p=2318
⇒参照:『Money1』「アルゼンチン支援にIMF動き出す! トルコリラも危うし!」
https://money1.jp/?p=4070
(柏ケミカル@dcp)