韓国が日本に対して「通貨スワップ」を求めている、という報道が出ており、ネット上では「どのツラ下げてそんなこと言ってるんだ。図々しい」という旨の意見も散見されます。
よく通貨スワップと縮めていわれますが、ややこしいことにデリバティブの世界には「通貨スワップ」という取引があります。今また話題になっているのは「通貨スワップ協定」という、通貨を融通し合う取り決めの方です。
なぜこの時期に言い出したの?と誰もが思うのですが、真実かどうか判断できませんが通貨防衛のためすでに多くの資金が使われたという話があります。また、注目すべきは最近のドル需要の高まりによる「ドル調達コスト」の急騰です。韓国の銀行では、これによってドルの枯渇が起こっているのではないか、という推測もできます。
そもそも韓国の銀行はその基盤が非常に脆弱(ぜいじゃく)で、ドルが足りなくなると日本の銀行から借りて凌いだりしてきたのです。
韓国の懐具合はすでにかなり危なくなっている可能性があります。
麻生閣下が「うん」と言うわけないよ
Money1でも何度も繰り返しご紹介していますが、日本にとって韓国との通貨スワップ協定はほとんど意味のないものです。1万歩譲って、韓国が通貨危機を迎えることで世界的な金融危機が起こり、日本が巻き込まれるといったことを防ぐために、あくまでも補助的なセーフティーネットとしてという程度には意味があります。
韓国との通貨スワップ協定が国益に資するところがあるとすれば、韓国企業と取り引きしている日本企業を韓国企業のドボンに巻き込まれないようにする、という点です。しかし、これはどの程度の影響があるのかを冷静に試算しなければなりません。
また「日韓対立」がここまで先鋭化している中、そもそも財務相である麻生閣下が韓国との通貨スワップ協定を進めるわけがありません。なにせ「こちらは痛くもかゆくもない。やはり韓国に対しては助けても、教えても、関わってもいけない。それが第一だ」と発言されたそうですので。
もちろんこの発言は、韓国のGSOMIA(General Security of Military Information Agreementの略:軍事情報に関する包括的保全協定)破棄についてのものですが、通貨スワップ協定についても同じことをおっしゃるのではないでしょうか。
⇒参照:『Money1』「韓国『通貨安』でドボンの可能性高まる!」
https://money1.jp/?p=9344
⇒参照:『Money1』「麻生閣下無双! 最強の財務大臣かも」
↑ただし2019年10月の消費税増税を進めたことについては批判せざるを得ません。
⇒参照:『Money1』「『通貨スワップ協定』とは?」
https://money1.jp/?p=265
(柏ケミカル@dcp)