株価トレンドの方向性を示す指標(INDEX)「DMI」の続きです。今回はトレンドの強弱を示す「ADX」のラインを併せて使う見方をご紹介します。まず、前回説明した「+DI」「-DI」をもう一度確認しておきましょう。いつもの株マップ.comのクオンツチャートでは、「+DI」「-DI」と「ADX」3本のラインが同じチャートに表示され、見にくいったらありゃしないので、今回はSBI証券の『HYPER SBI』からの引用です。
前回の記事でも引いたモブキャスト(銘柄:3664/東証マザーズ)の2016年09月06日-2017年03月03日のチャートです。『HYPER SBI』は背景色が黒いのがデフォルトなのでずいぶん見た目が違いますが、当たり前ですが数値は同じです。
「+DI」と「-DI」を組み合わせて、
+DIが-DIを下から上に追い抜いたポイント:買い時
+DIが-DIを上から下に追い抜いたポイント:売り時
という見方・使い方がされます。
「ADX」は計算式の説明の記事で紹介したとおりトレンドの強さを示すものですから、これによって「上昇」「下落」の強さを判断できます。「ADX」のラインが上昇している部分はそのトレンドが強気であると見るのです。
ただし、注意しなければならないのはADXは単純移動平均(SMA)と同様に○日間(通常は14日)の(DXの)平均(DXについては以前の記事を参照のこと)に過ぎないことです。14日なら直近14日間の平均値であって、それ以前のデータはばっさり切り落とされています。
例えば指数平滑移動平均(EMA)のようにそれ以前のデータの影響を減少させながらも反映させ、また直近の株価を重視するといったものではないため、ADXの数値を見る際にはその点を割り引いて見る必要があります。
※ADXをSMA(単純移動平均)ではなく、EMA(指数平滑移動平均)を用いて算出している場合もあります。例えば『MT4』のADXはそうなっており、これは上記のADXの弱点を克服するものとして工夫された結果であるといえるでしょう。
また、
+DIが-DIを上から下に追い抜いたポイント:売り時
というサインについても注意が必要で、下のチャートでも見られるようにそのサインが適切かどうかも判断が別れるのではないでしょうか?
「DMI」は上昇・下落トレンドとその強さを示すINDEXで、そこから売買タイミングを測ろうとするものです。しかし、やはりこのINDEXも絶対のものではありません。他のINDEXと併用して売買タイミングを見極めることをお勧めします。
(吉田ハンチング@dcp)