割安株の見分け方 その17「MACD」その2「EMA」の特徴

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前回、ジェラルド・アペルが考案した「MACD(マックディー)」という指標(INDEX)についてご紹介しようとしましたが、「指数平滑移動平均」(以下、略称のEMAを使います)の説明で終わってしまいました。

EMA(指数平滑移動平均)はMACDを計算するための基になりますので、まずEMAについて理解していないと、MACDについての説明がチンプンカンプンになってしまいます。もう少しEMAについての説明にお付き合いください。

■SMA(単純移動平均)とEMA(指数平滑移動平均)の違いは!?

株式銘柄の株価変動を表すチャートには、ほとんどの場合デフォルトで「移動平均」線が表示されます。例えば、以下のように「移動平均」線が表示されますね。

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特に説明がない場合、この「移動平均」は普通「単純移動平均」(以下、略称であるSMAを使います)です。これまでに説明しましたが、SMAは直感的に分かりやすいINDEXですが、直近のある期間内、例えば25日間の株価の単なる平均値を算出しているだけですので、短期的な株価の動きを反映しにくいという弱点があります。

EMA(指数平滑移動平均)はこの弱点を補うことができます。詳細な計算方法は前回の記事を参照していただければ良いですが、EMAには、

●直近の株価を重視して計算
●過去の株価の影響を減少させながらも取り入れて計算

という特徴があります。二番目の過去の株価の影響の計算に用いられるのが、前回紹介した「α」(指数定数)です。より難しくいうと、それぞれの株価を指数関数的に重み付けを行い(減少させて)、平均値を計算しているのです。

この「指数関数的」が英語で「exponential」です。そのためこのINDEXは「Exponential Moving Average」と名付けられているのです。

EMAをチャート上に表示すると下のようになります(SMAを表示していない状態です)。

20170110_dna_ema

EMA(指数平滑移動平均)を「○日間」で計算するのかは難しい問題で、それぞれのトレーダーによって推奨する日にちが異なっています。ちなみにアメリカでは「200日間」のEMA線を使用する人が多いようです。また、上記のとおり日本では「移動平均」のデフォルトはSMA(単純移動平均)ですが、海外では「EMA」を指すことが多く、またEMAの方が広く使われています。

SMAとEMAを同時に表示してみましょう。期間はどちらも「25日間」です。

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20170110_dna_ema_priorityこのように並べてみると、SMA(単純移動平均)よりEMA(指数平滑移動平均)の方が株価の変動トレンドに速く対応して動いていることが分かります。海外では移動平均といえばEMAとなっているのは、より速くトレンドを捉えることができるからです。

また、
●前日のEMAより当日の価格が上なら、当日のEMAは必ず上昇する
●前日のEMAより当日の価格が下なら、当日のEMAは必ず下落する

という点も記憶しておくべきでしょう。

移動平均には、他に「加重移動平均」というINDEXもあるのですが、これはひとまず置いて、次回は「MACD(マックディー)」についてご紹介します。

(高橋モータース@dcp)

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