外貨準備ってタンス預金みたいなもの?
経済評論家や識者の中には「外貨準備なんかタンス預金みたいなもの」と言う方もいらっしゃいます。いざという時のためのものだが、増えもしないし置いておいたって仕方がない――といった意味だそうです。
「置いといたって仕方がないから使おうよ、貸し出しちゃえばいいじゃん」を実践して、通貨危機時に「実はないんです」とFRB(Federal Reserve Boardの略:連邦準備制度理事会)に告白することになったのが韓国なのです。
アラン・グリーンスパン元FRB議長の本に登場する「保有するドルの大半を国内の銀行に売るか貸し出していて、銀行はこの資金を不良債権を支えるために使っていた」の部分はこれを指しているわけです。
また「使っちゃった!」じゃないだろうな
先の記事で紹介した、2017年09月の『毎日経済新聞』の記事。その中に非常に興味深い一節があるのに気付かれたでしょうか。
「外貨準備高を単純に積み上げておくのではなく、運用収益率を高めなければならない。価値の上昇が大きいと予想される対外資産投資比重を増やすべきである」。28日、ソウル大学経済学部 キム・ソヨン教授は、韓国は保有している外貨資産を戦略的に運用していない、むしろ損害が発生している状況だと指摘した。
⇒参照・引用元:『news.naver.com』「外貨準備高3,848億ドル 金融危機近づく時は安心できず ドル中心決済の構造変えるべき(原文韓国語:筆者意訳)」
https://news.naver.com/main/read.nhn?mode=LSD&mid=sec&sid1=101&oid=009&aid=0004023313
キム教授の真意が那辺にあるのか、この記事だけでは分からないのですが、「外貨資産を運用してもっと収益を上げよう。今は損害が出てるけれども」という部分だけで、うっすら「大丈夫なのかなぁ」という気持ちになるでしょう。
確かに外貨準備が「タンス預金」になってしまっては困るのかもしれません。だからといって「運用して損害を出すためのもの」でもないでしょう。
これが2017年の記事です。今は2020年ですが、また「やらかして」いて、また「実はありません」になるのではないか、と韓国ウォッチャーが見ているのは、故なきことではないのです。大丈夫なのでしょうか。
(柏ケミカル@dcp)