ウクライナ発で「北朝鮮軍がロシア軍の一部として活動してる」という報道が出ていました。
北朝鮮が本当にロシアに軍の人員を派遣しているのか?は確認される必要あったのですが、国家情報院(大韓民国国家情報院:国情院)が「派兵が事実である」と確認した――と『朝鮮日報』が報じました。
ウクライナの報道によれば「北朝鮮軍1万人がロシアに派兵されている」だったのですが、国情院をソースとする報道によれば――先遣隊1,500人がロシアに入り、駐屯地で訓練を受けた後に戦場に投入される見込み――となっています。
『朝鮮日報』の妙に詳しい報道から一部を以下に引用してみます。
(前略)
北朝鮮軍の先発隊1,500人は、ロシア海軍の支援を受けて移動したとされる。彼らはウラジオストク、ウスリースク、ハバロフスク、ブラゴベシチェンスクに分散され、ロシア軍部隊に駐屯している模様だ。
適応訓練を終え次第、ウクライナ前線に投入される見込みである。国情院(韓国国家情報院)は「近いうちに第2次輸送作戦も進行される予定」と述べた。
北朝鮮軍は、ロシア極東地域からシベリア鉄道を利用して、ウクライナ前線がある西部地域へ移動するものと見られている。
また、金正恩・北朝鮮国務委員長は、先月11日と今月2日に派兵に先立ち、「嵐軍団(폭풍군단)」を2度視察したとされる。
(後略)
最後に出てきた「嵐軍団(폭풍군단)」というのは、以下のように説明されています。
(前略)
北朝鮮がロシアを支援するためにウクライナ戦争に派兵した部隊は、特殊作戦部隊である第11軍団の一部である。この部隊は、韓国でいえば特殊戦司令部に相当する組織で、「嵐軍団(폭풍군단)」と呼ばれる最精鋭の部隊だ。
嵐軍団の下には、「雷光」軽歩兵旅団、「稲妻」航空陸戦団、「雷鳴」狙撃旅団など、10個の旅団が編成されており、その規模は約4万~8万人と推定されている。
今回、北朝鮮がロシアに派遣する兵力は、このうちの4個旅団・1万2,000人であり、嵐軍団全体の15~30%に相当する規模だ。これにより、最精鋭の兵力が北朝鮮を離れ、ウクライナ前線に向かうことになる。
北朝鮮は過去、ベトナムや中東に戦闘機パイロットや軍事顧問団を派遣したことはあるが、今回のような大規模な地上軍の派兵は初めてである。
嵐軍団は、平安南道徳川市に駐屯しているとされ、母体となったのは特殊第8軍団だ。
特殊第8軍団は、1968年の「1・21青瓦台襲撃事件」を起こした124部隊を基盤に1969年に創設された。その後、1983年に規模が拡大され、再編された結果、嵐軍団が誕生した。
この最精鋭特殊部隊の主な任務は、前線地域での進撃路の確保と後方の撹乱活動である。
軍関係者は、「これまで北朝鮮は主に工兵活動などの後方支援や武器提供にとどまっていたが、嵐軍団の派兵は、ロシアと北朝鮮が連合軍を形成して戦争に参加するという意味を持つ」と述べた。
また、高リスク地域で活動する部隊であるため、ウクライナ前線では「弾除け」の役割を果たすことになるという分析もある。
(後略)
『朝鮮日報』の報道が正しいのであれば、北朝鮮はかなり重要な基幹戦力をロシアに送ることになります。
兵隊さんたちからすれば、北朝鮮にいても飢餓で死ぬかもしれませんので、ロシアに移動した方がまだマシかもしれません。飢えて死ぬか、ウクライナの戦線でドローンにやられるか――どっちがマシでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)