アメリカ合衆国 – 韓国の関税交渉は一応妥結しましたが、その結果について、政府与党に成りおおせた『共に民主党』に対して、野党に転落した『国民の力』が舌戦を挑みました。

↑国会で舌戦に答える具潤哲(ク・ユンチョル)長官。
2025年08月06日、国会企画財政委員会全体会議が開催されましが、米韓関税交渉に関して、具潤哲(ク・ユンチョル)企画財政部部長(長官)を『国民の力』議員が「政府は自画自賛している」と批判しました。
野党『国民の力』のユン・ヨンソク議員は「失敗した交渉であり、屈辱的な印象を与える交渉だ」と論難したのですが、『共に民主党』議員の回答は「概ね最悪は免れたという評価が支配的だ」「善戦したという評価もある」でした。
『国民の力』議員が指摘したのは、
「わが国が米韓自由貿易協定(FTA)で享受してきた優位的地位がすべて失われた」
――です。先にご紹介したとおり、この指摘は事実上正しいです。そもそも韓国はFTAによって関税0%という恩恵を享受してきました。
面白いのは、『国民の力』のユン議員が3,500億ドル規模の対米投資に関連しては、「かなり過度に約束したのではないか」とし、
「日本はGDP比で10%、欧州連合(EU)は7%の水準だが、わが国は20%以上だ」
――と指摘している点です。
合衆国に約束した投資金額の対GDP比は、日本・韓国では異なっています。先にご紹介しましたが、日本が10%と言うのは過小ですし、韓国が20%と言うのは過大です。
そのGDPが2024年の名目GDOなら、「日本:5,500億ドル」「韓国:3,500億ドル」は対GDP比で以下のようになります。
日本:13.66%
韓国:18.72%
面白いのは、自動車に対する15%関税賦課による米韓FTA効果の喪失についての懸念には、具潤哲(ク・ユンチョル)長官は、
「関税交渉の際、12.5%にすべきだと強く主張したが、米韓FTAを締結している国なので、FTAを締結していない国との差別化を認めるべきだと主張したが、力不足だった」
――と述べました。
「12.5%」と主張した――というのは、こういう理屈です。
韓国は合衆国とFTAを締結しており、自動車も0%になっていました。対するEUや日本には「2.5%」の関税が賦課されていたのです。
そのため、EU・日本・韓国を同じ15%で撫で斬りにするのではなく、韓国にはFTA分の2.5%の優遇が与えられるべきだ――だから自動車については12.5%になるべきだ――という話なのです。
ところが合衆国は、この要求も突っぱねました。

「泣く子と地頭には勝てぬ」という言葉がありますが、まさに「泣く子とトランプには勝てぬ」です。
(吉田ハンチング@dcp)






