韓国の石油化学企業が構造変化、要するにリストラを迫られるようになっています。
Money1でもご紹介してきたとおり、韓国政府も「さっさとやれ」という態度で、自助努力をしなければ支援しない――という姿勢を崩していません。
業績が傾いている韓国企業『LG化学』は、2026年03月05日、人員カットのための「早期退職人員募集」を発表しました。
早期退職申請を受け付けるのは、04月09日までで「2006年12月31日以前に入社した勤続年数がおよそ20年以上の職員」が対象となります。
20年以上も同社に勤務して人に辞めてもらおうというわけで、これはかなり厳しい話です。
Money1でも少しだけご紹介したことがありますが、『LG化学』は2025年にも希望退職者を募っています。
08月には「石油化学事業本部」で、賃金ピーク制※の対象となる58歳以上の職員に限って希望退職を進めました。
12月には「先端素材事業部門」において、事務・生産職の区別なく「1970年生まれ以上の職員」が対象でした。
韓国では2016年に60歳定年制が導入されたのですが、企業側は「給料が高いまま60歳まで雇うと人件費が爆発する」という問題に直面しました。そこで、賃金ピーク制が広く導入されました。現在では韓国の大企業で広く採用されている制度です。
韓国は日本よりも豊かになっと寝言をいう識者がいますが、とんでもない話です。
で「今回また」です。流れを見る限り、露骨に「年寄りは切る」という話であって、石油化学企業の現況がいか困難に直面しているかが分かります。
中国企業の韓国企業淘汰への動き
そもそも韓国企業の衰亡には中国が大きく関与しています。
2018年頃から中国が石油化学設備を急拡張しました。特にエチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンなどの基礎化学品です。例えば、
『浙江石化』(Zhejiang Petrochemical)
『恒力石化』(Hengli Petrochemical)
『盛虹石化』(Shenghong)
――といった企業ですが、世界最大級の統合型コンプレックスを保有しており、ひとつの拠点でエチレン 400〜500万トン級を生産できる規模です。要するに過剰な生産施設があります。

↑浙江省舟山にある『浙江石油化工』のコンプレックス。
――で、毎度おなじみの話になります。これらの過剰な生産性を海外に向けると、外国の市場が食い荒らされ、その国の企業が沈没することになるのです。
中国は輸入国から輸出国に転換。韓国企業は従来、中国への輸出、中国向け中間素材で稼いでいたのですが、その市場が消えました。
また価格戦闘力で勝てない(赤字でも輸出する)ため、韓国企業の業績は傾く一方です。
そもそも韓国の石油化学企業は主要企業は輸出依存が高いため、中国市場が崩れると業界全体が苦しくなるという構造です。
ですから、韓国の石油化学企業が傾いているのは中国によるもの――といっても過言ではありません。しかし「中国に後頭部を殴られた」と嘆いてみても後の祭りです。
どうやって立て直すのか、また立て直せるのか――が問題です。
(吉田ハンチング@dcp)





