2026年06月12日、アメリカ合衆国企業『Space Exploration Technologies Corp』がNASDAQ市場にIPO(新規株式公開)を果たしました。イーロン・マスクさんが率いる『SpaceX』です。

初日の株価は以下のようになりました。終値は「160.95ドル」です(チャートは『Investing.com』より引用)。

この『SpaceX』のIPOに関して韓国で「日本を嫉む報道」が出ています。
何が起こったのかをご紹介します。
『SpaceX』の上場株に投資できます ⇒ ウソでした
『SpaceX』がIPOを行うことになり、世界最大級の規模であり、世界中の投資家が殺到しました。
韓国では、『未来アセット証券』『韓国投資信託運用』などが、「『SpaceX』に投資できます」と積極的に宣伝していました。
特に『未来アセット証券』は、韓国で唯一の『SpaceX』IPO引受団と喧伝されていたため、多くの韓国人投資家が期待しました。
投資家は「『SpaceX』株が買える」と思い同社に資金を預けました。集まった金額は約5億ドル(約7,600億ウォン)と報じられています。
韓国人の資金が大量に集まったわけですが、上場直前になって、主幹事の『ゴールドマン・サックス』が、
「韓国向けの割当は0株です」
――と通知。
韓国投資家は「え? 1株もないの?」という状態になりました。期待していた分、非常にガッカリしたわけです。
例えば『朝鮮日報』では以下のような記事を出しています。
『SpaceX』が史上最大規模の企業公開(IPO)に成功したものの、韓国内で唯一、公募株引受団として参加した『未来アセット証券』が1株も割り当てを受けられず、波紋が広がっている。
特に日本では当初の割当物量を大きく上回る公募株を確保したのとは対照的で、一部では「コリア・パッシング」論争も提起されている。
(中略)
日本は韓国とは対照的に、個人投資家向け公募請約から可能だったが、その理由として熱い投資需要が挙げられる。
日本の金融庁によると、日本の投資家は『SpaceX』株式の公募株請約過程で62億ドル(約9兆3,600億ウォン)の注文を入れた。
日本の請約主幹事である『みずほ証券』には当初3億1,200万ドルが割り当てられていたが、20対1に達する高い競争率により、実際の割当額比で7倍を超える22億ドル(約3兆3,000億ウォン)の物量が割り当てられた。
(後略)
韓国投資家の皆さんは「大空振り」を喫したわけですが、結局、『未来アセット証券』が公募株を確保できなかったので、資金の払い戻しを受けることになりました。
言い訳がましいですが、『未来アセット証券』は、「引受物量が不確実なので、投資家に対して払い戻しの可能性を事前に告知していた」と説明しています。
なぜこのようなことが起きたかといえば、合衆国のIPOでは、幹事会社の裁量が非常に大きいのです。割当は日本のような機械的・抽選的な配分ではなく、主幹事・引受団が需要・顧客属性・長期保有見込み・機関投資家との関係などを見て配分できます※。
※ただし、不正な見返り、利益相反、スピニング、制限対象者への配分などは禁止されています。ちなみにスピニング(spinning)」というのは、証券会社が、上場企業や将来有望な企業の経営者・役員に人気IPO株を優先配分し、その見返りとして将来の投資銀行業務(IPO主幹事やM&A助言など)を得ようとようとする行為のことです。
韓国の投資家は、
・資金を預けた
・ドル転した
・為替手数料を払った
――にもかかわらず、結局何も買えませんでした。投資家からすれば「1株も割り当てがないってどういうことだ」と怒って当然かもしれません。
『未来アセット証券』に集まった資金は5億ドルとされていますので、この数字が正しければ「5億ドル」の空振りというわけです。日本は62億ドルの注文があったそうなので、韓国の規模は1/12ですが。
(吉田ハンチング@dcp)





