【中国必死だな】「中国は絶対に日本と同じ罠に落ちない」⇒ ドイツ首相はそんなこと言ってない。

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読者の皆さまもうすうす感じていらっしゃるでしょうが、EUと中国の対立が深まっています。

中国が赤字上等で自国内のデフレを押し付けるようなイナゴ的輸出を行い、ドメスティックな企業の業績を傾けているからです。

中国の経済成長を支えてきた❶輸出❷内需❸不動産のうち、唯一まだ大丈夫(なように見える)のは❶輸出だけですから、EUが何と言おうがこれまでどおり食い荒らさせてくれないと困ったことになります。

だから中国も必死です。

これまでどおり中国からの輸出品目をおとなしく買い続けろ――というわけですが、EUも黙ってはいられません。『北京日報』に面白い記事が出ていますので、以下に一部を引きます。

EUの当たりが強くなっている! 中国はプラザ合意のような罠にハマらないぞ

最近、EUの対中貿易政策はますます強硬になっている。

公然と現在の対中経済・貿易関係は「もはや持続可能ではない」と主張し、頻繁に「デリスキング(リスク低減)」論を打ち出し、さらに中国のハイブリッド車に対していわゆる「反補助金関税」を課す計画まで進めている。

ドイツ首相はさらに、中国に新たな「プラザ合意」への署名を強制するとまで言い放った。

歴史的に見れば、中国とEUはかつて良好な貿易関係を維持してきた。

改革開放以降、中国とEUの貿易額は絶えず増加し、経済・貿易関係は極めて緊密であった。2004年から2019年まで、EUは一貫して中国最大の貿易相手であり、2020年以降は中国がEU最大の貿易相手となった。

同時に、中国とEUはいずれも多国間主義を支持し、一部の覇権国家による一国主義的政策に反対し、より公正で合理的な国際秩序の構築を期待している。

しかし、中欧の経済関係が依然として極めて緊密な今日において、EUの一連の動きは、EUが貿易分野における反中急先鋒になったことを意味するのだろうか。
(後略)

⇒参照・引用元:『北京日報』「想拿“广场协议”对付中国?太天真」

ご注目いただきたいのは「ドイツ首相はさらに、中国に新たな『プラザ合意』への署名を強制するとまで言い放った」――です。

読者の皆さまも自身で調べればすぐお分かりになりますが、ドイツのメルツ首相はそんなこと言ってません。

メルツ首相が言ったのは、

Wir konkurrieren in einigen Fällen mit Währungsräumen, deren Währungen gegenüber dem Euro um bis zu 30 Prozent zu niedrig bewertet sind.

Im Plaza-Hotel in New York wurde einmal eine Verabredung getroffen, und auch in Paris gab es entsprechende Verabredungen … So etwas schwebt mir jetzt vor.

われわれは、場合によっては、ユーロに対して通貨が最大30%過小評価されている通貨圏と競争しています。

かつてニューヨークのプラザホテルで合意が結ばれたことがあり、パリでも同様の合意がありました。……私がいま念頭に置いているのは、そのようなものです。

(中略)

Wir wollen keine gegenseitigen Schuldzuweisungen vornehmen, sondern wir wollen versuchen, diese Imbalances auszugleichen.

Insofern sind Gespräche angezeigt.

われわれは互いに責任をなすりつけ合おうとしているのではなく、こうした不均衡を是正しようとしているのです。

その意味で、協議が必要です。

⇒参照・引用元:『ドイツ連邦政府』公式サイト「Haben gezeigt, dass wir als Europäer handlungsfähig sind“ 」

「欧米は中国を罠にはなめようとしている」という認識

メルツ首相は、「為替不均衡をめぐる協議の先例としてプラザ合意を挙げた」のであって、「中国に署名を強制する」なんて言っていません。

中国側がここで「プラザ合意」を持ち出している理由は、単に為替の話をしているのではなく、

「西側は中国に対して、日本に対して行ったのと同じことをしようとしている」

――と政治的・歴史的な物語(ナラティブ)を作るためです。

中国では1985年のプラザ合意について、

日本は米国の圧力で円高を受け入れた

円高不況対策として金融緩和を実施した

バブルが発生した

バブル崩壊後「失われた30年」に入った

――という説明が非常に広く流布されています。

そのため中国では「プラザ合意=日本衰退の出発点」という理解をする論者が少なくありません。

2000年代以降、中国国内ではたびたび「合衆国は人民元を切り上げさせようとしている」という議論が起きました。とりわけ、

対米貿易黒字の拡大に対する批判
巨額の外貨準備への批判
「人民元は過小評価されている」との批判

――と合衆国からの批判が相次いだからです。

中国の学界や官製メディアでは、

日本はプラザ合意で失敗した。
 中国は絶対に同じ罠に落ちてはならない

という論が頻繁に登場しました。長くて面倒くさくなりますので、プラザ合意についての説明はいたしませんが、「中国は日本のようにハメられないぞ」と恐れているので、このような反応になるわけです。

(吉田ハンチング@dcp)

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