中国の国有企業の相次ぐデフォルト・破産申請が注目されていますが、イギリスのシンクタンク『Enodo Economics』のチーフエノコミストDiana Choyleva(ダイアナ・チョイリバ)さんは中国の地方政府の債務(返済しなければならない借金)こそ最大の懸念であると指摘しています。
↑『Enodo Economics』のDiana Choylevaさん
まず、中国の債務の状況です。
中国の債務比率
2010年第1四半期:対GDP比率:178%
2020年第1四半期:対GDP比率:275%
2010年第1四半期:対GDP比率:178%
2020年第1四半期:対GDP比率:275%
また債務の増え方が尋常ではありません。
2008年のリーマンショック以降
中国の債務:年平均20%で増加
(名目GDP成長率を上回っている)
中国の債務:年平均20%で増加
(名目GDP成長率を上回っている)
「融資平台」とは? 隠れ借金を積み上げている!
さらに、チョイリバさんは「LGFV」について言及しています。LGFVは「Local Government Financing Vehicle」の略で「融資平台」と訳されます。「融資平台」はインフラ整備を行うことを目的に設立される中国地方政府傘下の投資会社です。公共住宅の建設なども担当しているのですが、債券発行や銀行から借り入れを行って資金調達を行います。
この「融資平台」の債務も巨額となっているのです。
チョイリバさんによれば融資平台の債務は約2兆元(約31兆6,100億円)です。
実は、この「融資平台」は地方政府の予算外、独立した会社となっているため、地方政府の「隠れ借金」の温床なのです。出資関係があるため「融資平台」が飛ぶような事態になると、地方政府も痛手を被ります。
地方政府のデフォルトを防ぐためには中国共産党当局が引き受けるしかありません。
(吉田ハンチング@dcp)