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中国が「韓国に4つのNO」か。「全ての責任は韓国にある」

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「三不」の次が来たようです。頭に来た中国が、今度は「4つのNo」とのこと。

「三不の誓い」騒動と中国の姿勢

かつてTHAAD事態の際には、中国は韓国に対して「3つのNo」(三不)を突きつけたといわれました。

後に、三不ではなく「三不一元限」だったことが分かったのですが、中身は自国防衛の主権を放棄するような内容です。

三不
アメリカのミサイル防衛に参加しない
日・米・韓の安保協力を軍事同盟化しない
THAADの追加配備をしない

一限
THAADの運用を制限する

韓国の政権はこれを守ると約束し(たと見られる)、これがいわゆる「三不の誓い」です。

朴槿恵(パク・クネ)大統領から文大統領に代わり、文政権でもこの誓いを固持しましたが、尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領が登場。親米に舵を切ったため、中韓関係がこれまでとは変化しました。

尹錫悦(ユン・ソギョル)政権発足直後から、朴振(パク・ジン)外交部長官は「中国外交部からの責め」に防戦一方となり、ここまできています。

中国としては韓国をアメリカ合衆国の傘下に置くことはできません。

なんとなれば中国はいまだに韓国を失われた自国領土と見る姿勢を崩さない(その割には統治したいとは考えないのですが)国ですから、簡単にいえば「お前は朝貢国だろうが」という態度を取ります。

さあ来た! 今度は「4つのNo」だ

しかし、韓国としても、日本併合によって大陸国家から切り離されてすでに100年以上。今更朝貢国に堕すわけにもいきません。

曲がりなりにも自由主義国ですので、中国共産党が支配する無法国家・中国の言うことをホイホイ聞いているわけにはいかないのです。

で、「どうするよ?」なのですが、この期に及んで韓国では「アメリカ合衆国にオールインするのはまずい」という、世にもあほらしい意見が根強くあって、右往左往してます。

このような背景の中、「中国から4つのNoが突きつけられた」という報道が出ました。極左メディア『ハンギョレ』の記事です。

記事のポイントを以下に引用します。

(前略)
中韓関係に詳しい複数の外交消息筋は30日、『ハンギョレ』に対し、「先月22日、中国外交部の劉勁松「アジア担当」局長がソウルに来て、尹錫悦(ユン・ソギョル)政府に中韓関係に関する中国政府の「4つのNo」方針を通知した、と聞いた」と話した。

中国政府がユン・ソクヨル政府に明らかにした「4つのNo」は、

△(台湾問題など)中国の「核心利益」に触れると中韓協力不可
△韓国が親米・親日一辺倒の外交政策に進む場合、協力不可
△現在のような中韓関係の緊張が続く場合、高官級交流(習近平国家主席の訪韓)不可
△悪化した情勢の下、韓国の対北朝鮮主導権行使不可

だという。

この席で劉局長は、チェ・ヨンサム外交部次官補とチェ・ヨンジュン北東アジア局長に、自身の訪韓目的は「中韓関係の改善」ではなく、「中韓関係の『ダメージコントロール』(追加被害防止)」にあると明らかにしたと伝えられた。

尹錫悦(ユン・ソギョル)政府発足後、急速に疎遠になっている状況で、当分の間、関係改善は難しいと判断し、中国政府の核心関心事と「禁止線」を明確に伝え、さらなる葛藤と衝突を管理するという方針を伝えたことになる。
(後略)

⇒参照・引用元:『ハンギョレ』「[단독] 중국 ‘시진핑 방한 기대 말라’…4대 불가 방침 통보」

『ハンギョレ』なので、現尹錫悦(ユン・ソギョル)政権を揺さぶる意図もあると思われますが、この「4つのNo」の報道が正しいのであれば、中韓関係はダメージコントロールを行わなければならないほど傷ついた――と中国は見ているわけです。

「ダメコン」です。

「4つのNo」は本当にあったのか。中国外交部の返答は?

では、中国外交部は本当に「4つのNo」を韓国側に突きつけたのでしょうか?

2023年05月31日の中国外交部の定例記者ブリーフィングで、韓国メディア『中央日報』の記者が本件について質問をぶつけました。

外交部は以下のように回答しています。

韓国『中央日報』記者:
最初の質問は、外交部アジア局の劉勁松局長が先週ソウルを訪問し、中国政府の「4つのNo」の立場を伝えたと『ハンギョレ』が報道したことです。

中国外務省の報道発表では、「中国は核心的な関心事について厳粛な立場を表明した」と言及されています。 これが「4つのNo」の立場に当たるのでしょうか。この報道に対して、中国はどのようなコメントを出しているのでしょうか。

2つ目の質問は、昨日、ソウルで開催された「日中韓協力の日」で、在韓中国大使館の方昆政務公使が「中国は日中韓の協力を常に支持してきた」と発言しました。これに対して、中国はどのようにコメントしますか?

毛寧:
最初の質問について、中国はすでに先週、外交部アジア局の劉勁松局長が協議のために韓国を訪問したというニュースリリースを出していますので、そちらをご確認ください。

中韓関係が直面している現在の困難や課題は、中国側の責任ではないことを強調したいと思います。

最近の協議の中で、中国はすでに核心的な懸案について厳粛な立場を韓国側に真剣かつ包括的に伝えています。

韓国側は問題の所在を深く理解し、真剣に受け止め、中国側と同じ方向に進み、中韓関係の健全で安定した発展を促すために積極的に努力する必要があります。

2番目の質問について、中国、日本、韓国は密接な隣国であり、3国間の協力強化は共通の利益です。中国は中日韓協力を重視しており、三者は協力して二国間関係の政治的基盤を維持し、三国間協力の安定的、健全かつ持続的な発展にコミットすべきです。

⇒参照・引用元:『中国 外交部』公式サイト「2023年5月31日外交部发言人毛宁主持例行记者会」

毛寧報道官の言葉はなかなか意味深です。「三不」のときもそうでしたが、中国は本当にそのようなことがあったかはギリギリまで認めません。

今回の「4つのNo」についても直接の言及は避けました。毛寧さんの「劉勁松局長が協議のために韓国を訪問したというニュースリリースを出しています」ですが、このリリースには当然のごとく、「4つのNo」なんて言葉は出てきません。

注目なのは「中韓関係が直面している現在の困難や課題は、中国側の責任ではない」です。

中韓関係がダメコンを必要とするような関係になったのは「全て韓国のせい」という主張です。

中国もまた韓国と同様に「同盟というのはお互いにとっての価値を高め合うものである」ということが理解できません。それどころか、韓国を同盟などとは見ておらず、朝貢国の一つとして認識している節がありますから、韓国は「中国の言うことを聞いて当然の国」なのです。

その姿勢を鑑みれば、「4つのNo」を突きつけていても、なんら不思議ではないといえるでしょう。

これを弾き返すには、韓国には中国と対立するだけの覚悟が必要です。

Money1でも何度もご紹介しているとおり、韓国には覚悟がありません。

G7広島サミットが終わった直後に、「さあ今度は中国と仲良くするぞ」とばかりに、なぜか日本まで巻き込んで勝手に中国に接近した韓国ですが、中国から「虫のいいのもいい加減にしろ」と一蹴された形になったわけです。

(吉田ハンチング@dcp)

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