韓国政府「どうするんだコレ」な財政会議を開催。「経済的無策だった文政権のせい」で大変

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2022年07月07日、韓国の企画財政部主催の「2022年国家財政戦略会議」が開催されました。

企画財政部が出した資料によると、韓国政府の財政は、前文在寅大統領がしゃにむに支出を拡大したためにひどいことになっています。

政府負債は1,075兆ウォンで文時代に416兆増えた!

まず、政府負債のデータです。

韓国政府負債
2022年:1,075.7兆ウォン
対GDP比率:50.1%

⇒参照・引用元:『韓国 企画財政部』公式サイト「『2022年国家財政戦略会議』開催」

韓国政府の負債は、2022年に「1,075.7兆ウォン」に達します。金額よりもその上昇の異常な速度が問題です。

上掲のグラフに書かれていますが、

2008~2017年:+181兆ウォン
2013~2017年:+170兆ウォン
2017~2022年:+416兆ウォン

となります。文在寅大統領の時代に「416兆ウォン」も増えたのです。文大統領が就任した2017年には政府負債は「660.2兆ウォン」で対GDP比率はわずか「36.0%」しかありませんでした。

文大統領は、政府負債を「1.6倍」に増やしたのです。まさに「借金大統領」の何に恥じぬ活躍だったといえるでしょう。

政府の財政に大赤字が定着した

で、次に韓国政府の財政です。

2022年
管理財政収支:-110.8兆ウォン

⇒参照・引用元:『韓国 企画財政部』公式サイト「『2022年国家財政戦略会議』開催」

管理財政収支は、「政府収入 – 政府支出」に国民年金基金などの収支まで足し込んだものです。2022年は「-110.8兆ウォン」もの大赤字になる予定です。

上掲の赤い破線で囲んだ部分が文政権時代最後の4年間ですが、ご覧のとおりマイナスが大きく膨らんでいることが分かります。

2020年以降はコロナ禍による経済の落ち込みに対処するため、政府支出を拡大させたので仕方がないという見方もありますが、コロナ前の2019年にすでに赤字が大きく増加している点を見逃さないでください。

文大統領は「なぜ対GDP比の政府負債が40%未満と決まっているんだ」といって、支出を拡大させました。文大統領がこのような発言をしたのは、先進国クラブといわれる『OECD』内で比べても、韓国の「政府負債対GDP比」は高い方ではないという認識があったためです。

韓国は決して楽観視などできない

今回の尹錫悦(ユン・ソギョル)新政権は、文大統領が膨らませた政府負債の対GDP比率について、資料の中で次のように指摘しています。

先進国と比較して、わが国の負債比率は非基軸通貨国の平均に迫っています(『IMF』の予測による)。

2020年 ⇒ 2022年
非基軸通貨国の負債対GDP比率:55.8%54.0%
韓国の負債対GDP比率:48.9%52.0%

⇒参照・引用元:『韓国 企画財政部』公式サイト「『2022年国家財政戦略会議』開催」

韓国では「ハードカレンシーを持つ国」を基軸通貨国と呼ぶことがあります。

この比較は『IMF』(International Monetary Fundの略:国際通貨基金)の予測を引いていますが、2022年には非ハードカレンシー国の「負債対GDP比」と変わらない水準まで上昇します。

ハードカレンシーを持つ国は対外債務を自分の国の通貨(印刷すればいい)で返済できますが、非ハードカレンシー国はそうはいきません。

そのような視点にたてば、アメリカ合衆国、日本などが入った「『OECD』加盟国の平均」と比較して低いから韓国はまだ大丈夫という、文大統領の意見はおかしいということになります。

新しい財政準則を作って法制化する

このように韓国政府の負債、財政状況は全くよい状況ではありません。この現状を踏まえて、尹錫悦(ユン・ソギョル)政府は、新たな財政準則(守らなければならない財政上のルール)を設けるとしました。

先の文政権では、「この政府負債の急増をどうするんだ!」という識者、メディアからの突き上げに、企画財政部が慌てて「」を出しました。

Money1でも以下の記事でご紹介したことがありますが、結局この財政準則を法制化せずに文政権は逃げてしまいました。信用格付け会社の格下げを、とりあえずかわすためのものだったといわざるを得ません。

韓国政府から「財政準則」出た! 「先送り」で「実効性に疑問あり」
注目されていた財政のルールが韓国政府から出ました。まず注目ポイントをご紹介します。・対GDP比率で、政府債務は60%以下、統合財政収支(政府の収入-支出)の赤字が3%以下(限度計算式は後述)・2025年から実施するが5年ごとに見直せる・景気...

しかし、その後、信用格付会社から「財政準則を守らないのであれば格付けを下げる可能性があるぞ」と脅されています。文政権は国家信用格付を落とさずに済みましたが、いよいよそのような行き当たりばったりな対処はできなくなったようです。

企画財政部が今回出した資料によれば、尹錫悦(ユン・ソギョル)政権では新しい財政準則として、

管理財政収支の赤字を対GDP比3%以下に抑える

⇒参照・引用元:『韓国 企画財政部』公式サイト「『2022年国家財政戦略会議』開催」

としました。重要なのは、これをこれを法律化するとした点です。また、2027年までに政府負債の対GDP比率を50%台半ばを目標に管理するとしました。

文政権がほったらかしにしたことを尹錫悦(ユン・ソギョル)政権が修正しようとしています。

しかし、これは大変な作業です。文政権下で膨らませるだけ膨らませた支出を大幅にカットしないと実現できないでしょう。

尹錫悦(ユン・ソギョル)さんは、経済的無策を極めた文在寅さんの後という、イヤな順番で大統領となりました。しかし、ここで歯止めをかけないと韓国は取り返しがつかないことになるかもしれません。

尹錫悦(ユン・ソギョル)新大統領の公約であった「財政の立て直し」は今始まりました。尹錫悦(ユン・ソギョル)さんは心の中で「文政権めー」と思っていらっしゃるかもしれません。

(吉田ハンチング@dcp)

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