Money1でご紹介したとおり、対イラン強硬派で対イラン政策を主導しているジョン・ボルトン大統領補佐官(安全保障担当)ですが、ここにきて「近く解任されるのでは?」という報道が出ています。例えば『The Aslantic』紙には「How Long Can John Bolton Take This?」(ジョン・ボルトンはいつまで続くだろうか?)という記事を掲載しています。
⇒『Money1』「イラン問題はボルトン補佐官が主導」
https://money1.jp/?p=9017
⇒参照記事:『The Aslantic』「How Long Can John Bolton Take This?」
https://www.theatlantic.com/ideas/archive/2019/07/john-boltons-long-game/593134/
成果を求めるトランプ大統領が「核凍結案」で妥協?
ことの起こりは、06月30日に板門店で実現したトランプ大統領と金王朝三代目・金正恩委員長の三回目の会談。この会談には、ボルトン大統領補佐官は同行していませんでした。ボルトン補佐官は対北朝鮮強硬派でもあり、「完全で検証可能、かつ不可逆的な核・ミサイル計画を放棄するプラン」を主導してきました。
しかし、ボルトン大統領補佐官のプランでは前進がないため、ホワイトハウスには「漸進的なアプローチ」を主張するグループがいるというのです。これは、「すでに開発されてしまった核兵器は保有を認め、これ以上の核兵器の開発をストップさせる」という「凍結案」と呼ばれるものです。インドのケースのように「核兵器保有について黙認しよう」というわけです。
このようなプランがホワイトハウスで検討されていることを『ニューヨーク・タイムズ』紙と『ウォール・ストリート・ジャーナル』がすっぱ抜きました。そして、板門店にボルトン補佐官を同行させなかったのは、凍結案によって再選のための成果を得たいトランプ大統領の意向を反映させたものであり、ボルトンさんが大統領補佐官を解任されるのも時間の問題だ、というのです。
対北朝鮮強硬派の退場は日本を危険にする!
ボルトン大統領補佐官は記事に対してTwitterで以下のように反応しています。
I read this NYT story with curiosity. Neither the NSC staff nor I have discussed or heard of any desire to “settle for a nuclear freeze by NK.” This was a reprehensible attempt by someone to box in the President. There should be consequences.
ニューヨーク・タイムズの記事を興味深く読んだ。NSCのスタッフも私も「北朝鮮による核凍結措置」(といったもの)について議論したことも聞いたこともない。これは、大統領の側にいる何者かによって起こされた非難されるべき試みだ。責任を取ってもらうことになるだろう。
⇒引用元:Twitter『John Bolton』2019年07月01日-03:52
https://twitter.com/AmbJohnBolton/status/1145646367865528320
もしボルトン大統領補佐官が解任され、「核凍結措置」などという北朝鮮への妥協が成立すると、日本は大変困ったことになります。核兵器の保有を合衆国に黙認された金王朝が継続することになるからです。日本は合衆国の変節を覚悟し、対応策を考える必要があります。
(柏ケミカル@dcp)