韓国では預金金利が上場しています。市中銀行の預金金利は普通に5%を超えてきましたから、その金利目当てに皆さんが資金を預金に移動するという状況です。
2022年11月末時点での、韓国の5大銀行、『国民銀行』『新韓銀行』『ハナ銀行』『ウリィ銀行』『農協銀行』の定期預金・積立預金残高は、865兆6,531億ウォンと集計されています。
Money1でもご紹介しましたが、10月末時点では「847兆2,293億ウォン」と韓国史上初めて800兆ウォンを超えました。
11月は、それより18兆4,238億ウォン増加して史上最高額を更新したわけです。
2022年06月から11月までの金額推移を見ると以下のようになります。
上掲のグラフの傾きのとおり、預金金額の増加幅は、11月には落ち着きました。
これは預金金利の上昇が落ち着いたからです。5%超えた預金金利でしたが、現在5大銀行の中で5%を超えているのは『ハナ銀行』だけになってしましました。
金融委員会が「預金金利の引き上げを緩和するよう」に指示を出したのが効いたようです。
その一方で、銀行から企業の貸出金も増加しています。同じく11月末時点で、
中小企業向けローン:599兆938億ウォン
小計:710兆4,214億ウォン
と、2カ月連続で700兆ウォン超え。
債券市場の金利急騰を嫌気した企業が銀行からの借り入れに走っている様子が伺えます。
家計融資の方はどうなっているかというと、貸し出し金利の上昇でこちらは減っています。同じく11月末時点で、貸し出残高は「693兆346億ウォン」。
金利上昇、債権市場動向などが絡み合って銀行のお金の出し入れもドタバタしてきています。ただし、金利が上がる方向であるのは間違いないので、資金需要は減少すると思われます。8%超などの金利でお金を借りたくはないからです。
当局の指導が緩んで、銀行が預金金利を上げると、また預金が増えるでしょう。
(吉田ハンチング@dcp)