韓国・尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領の「UAEの敵はイランだ」発言で、イランと韓国が罵り合う状況となっています。
イランはここぞとばかりに「韓国の銀行が凍結している原油代金70億ドルを支払え」と言い立てています。
※『ウリィ銀行』と『韓国企業銀行』の口座に凍結されているとされます。
これを言われたらしゅんとなるのかというと……韓国はこれまで「(イラン制裁で)アメリカ合衆国がイランへの送金に難色を示している」とのらりくらりとかわしてきました。
コロナ禍の最中には「韓国製の検査キットと救急車を提供するから……」などと提案して、イラン側から「そんなもん、お前が支払う70億ドルで買うわ!」と激怒されました。
全部本当です(以下記事参照)。
今回の70億ドル返せ騒動ですが、韓国メディアの記事の中にちょっと面白い「書き様」があって目を引きます。以下に該当部分を引いてみます。
(前略)
ナザフィー次官はまたイラン資金凍結など韓国政府の非友好的措置を取り上げ、「韓国が紛争解決のために有効な措置を取らなければ両国関係を見直すことができる」と警告した。2018年、アメリカ合衆国がイランに対する制裁を復元し、韓国には現在70億ドル程度のイラン資金がウォンで凍結されている。これは海外に凍結されたイラン資産の中で最大規模である。
筆者の誤訳でなければ「ウォンで凍結されている」と書いています。まだ支払っていないのでウォンでも構いませんが、つまり「ドル」で凍結さているわけでないのです。イランからすれば、ハードカレンシーではないウォンで支払われても仕方ありません。
国際取引なので当然ドル建てが基本のはず。なのに韓国の銀行がドルで持っているわけではない――ということは、いざ支払う段になってからドルを調達するのでしょうか。
韓国は以前、イランが滞納している国連の分担金を代納したことがありますが、このときもプレスリリースを読む限りはウォンで支払ったようなのです。
もしかして韓国は原油代金70億ドルをウォンで支払おうとしていないでしょうか。もしそうなったらイランは「ドルで払えよこの野郎」と烈火の如く怒りそうな気もいたしますが。
(吉田ハンチング@dcp)