2023年11月21日、北朝鮮が軍事偵察衛星の打ち上げを実施。
今回のは、2023年05月31日に失敗した(以下の過去記事を参照してください)打ち上げのリベンジです。
05月31日の「千里馬」号は黄海に落下して失敗し、韓国メディアは「名前のとおりの距離しか飛ばねえ」と揶揄していました※。北朝鮮側は「次の打ち上げは10月中だ!」としていたのですが、さすがに実現できず。
※千里馬の1,000里は「約392km」です。
11月になってから実現した、という流れです。
2023年09月13日には、金正恩総書記がヴォストチヌイ宇宙基地にプーチン大統領を訪問しています。また、今回の軍事衛星打ち上げにはロシアの技術支援を受けた状況が確認されています。
↑2023年11月24日に、金ちゃんファミリー三代目の金正恩さんが国家航空宇宙技術総局の平壌総合管制所を訪問。21日に打ち上げた軍事偵察衛星の運用準備状態を点検した――とのこと。
今回のロケットにも、失敗した前回同様、「萬里鏡(万里鏡)-1型」という名前の軍事偵察衛星(自称)を搭載していました。日本当局は「何かが地球を周回している」としていますが、米軍は2023年11月22日(現地時間)も公式番号(58400)と識別番号(2023-179A)を付与。ただし、実際に偵察機能を有しているかどうかは不明です。
なぜなら、2012年と2016年に北朝鮮が打ち上げた「光明星3号」および4号も、北朝鮮の主張とは異なり、地上との交信が全くなく、作動不能な状態であると判明しているからです。
前回黄海に沈んだロケットの残骸を引き上げ※、アメリカ合衆国・韓国が共同で調査しています。
※発射体2段部の胴体、衛星に取り付けられたカメラなどの光学装備と関連部品、光学カメラが入る鏡筒などを回収しています。
面白いことに、韓国メディア『東亜日報』のスクープによると「萬里鏡-1型の核心部分に韓国製の部品が使われている」ことが判明しました。
韓国内の何者かが渡したのでなければ、北朝鮮は外国で流通する韓国産の電子部品を密輸して偵察衛星に使ったことになります。これは国連の制裁破りです。
(吉田ハンチング@dcp)