2024年01月05日、韓国尹錫悦(ユン・ソギョル)政権3代目※の産業通商資源部長官に指名された安徳根(アン・ドックン)さん(下掲写真)が、平沢港を訪問し、抱負を語りました。
平沢港は、自動車輸出のための玄関として有名です。 Money1でもご紹介しているとおり、韓国は電気自動車の輸出が好調で、それにあやかるためだと思われます。
安徳根(アン・ドックン)長官は、05日、『起亜自動車』専用埠頭で業界関係者と会い、「輸出を主任務とする部の長官として、史上最大の輸出目標7,000億ドルを達成し、経済成長をリードするために全力疾走する」述べました。
また、
・マーケティング・金融・認証 認証 など3大サポートインフラの強化
・市場の多様化・品目の高付加価値化
・輸出の底辺拡大
という3つの指針を中心に政策を推進する――と明らかにしました。
その意気やヨシ、なのですが、問題は輸出金額の増大ではなく、いかに輸出入で黒字を出すか?――です。実際、前の文在寅政権は「ゆくぜ6,000億ドル!」で、実際にそれは達成されました。
しかし、読者の皆さまもご存じのとおり、その後赤転。(通関ベースの)輸出金額と貿易の儲けを示す貿易収支だけ取り出してみると……。
輸出:6,836億ドル
貿易収支:-477.8億ドル
2023年
輸出:6,327億ドル
貿易収支:-99.7億ドル
――で、全然駄目でした。2022年は「輸出金額:7,000億ドル」寸前までいったのですが、韓国史上最大の大赤字「-477.8億ドル」だったのです。
(通関ベースとはいえ)韓国は貿易1本で食べている国なので、貿易で利益が出ないと国が傾きます(この2年間が上掲のような結果なので現在もう傾いています)。
こうならないためには「資源価格が回復して安くなること」「ウォン安はほどほどに」が大前提ですが、紅海の情勢がありますし、ウォン高方向に進行しているわけでもありません。
また、もはや対中国貿易で大儲けできませんから、たとえ7,000億ドルの輸出が達成できたとしても、幾ら貿易収支が稼げるのかが問題です。
ともあれ、新産業通商資源部長官の手腕には期待いたしましょう。
初代長官のように「ラーメンと海苔とK-POPだ!」などと言い出さないといいですね。 傍で見ている日本人すら「駄目だこりゃ」となりますので。
※ボンクラだったので交代させられた初代の後釜となり、2代目産業通商資源部長官に就任した方文圭(パン・ムンギュ)さんでしたが、わずか3カ月で辞めました。2024年04月の総選挙に出馬するためと予想されています。
(吉田ハンチング@dcp)