2024年01月13日、台湾の総統選挙が行われ『民進党』の頼清徳さんが次期総統に決まりました。
台湾独立派と目される頼清徳総統の誕生(総統就任は05月)を中国は当然苦々しく思っているわけですが、自由主義国陣営からすれば「民主主義の勝利」です。
台湾と断交し、中国との国交樹立
太平洋の島嶼国家であるナウル共和国が突如として「台湾との断交」と「中国との国交樹立」を発表しました。
↑ナウル共和国の場所。人口は約1万3,000人、面積は約21平方キロメートルで東京都品川区と同じぐらいの大きさです/PHOTO(C)GoogleMap
もちろんこれは中国の差配です。
中国の外交部はさっそく大喜びで以下のプレスリリースを出しています。
質問:
ナウル政府は、一つの中国の原則を承認し、台湾との国交を断絶し、中国との国交を再開することを決定したと正式に発表しました。これに対する中国のコメントは?回答:
中国は、ナウル政府が主権ある独立国として、一つの中国の原則を承認し、台湾当局とのいわゆる「国交」を断絶し、中国との国交を樹立するという決定を高く評価し、歓迎する。世界に中国はひとつしかなく、台湾は中国の領土の不可侵の一部であり、中華人民共和国政府は中国全体を代表する唯一の合法的政府である。
このことは国連総会決議2758号によって確認されており、国際社会の一般的なコンセンサスとなっている。
一つの中国の原則に基づき、中国は世界182カ国と国交を樹立している。
ナウル政府が中国との国交を再開する決定を下したことは、一つの中国原則が民意であり、時代の趨勢であることを改めて十分に示している。
中国は一つの中国の原則に基づき、ナウルとの関係の新たな章を開く用意がある。
中国の外交部は台湾を「島」と呼びます。国ではないですし、総統なる人もいません。そのため「いわゆる国交」という嫌味ったらしい言い方をしています。
「で、ナウル共和国にナンボ出したんや?」
傑作なのは、本件について『Reuters(ロイター)』が外交部にド直球を放ったことです。以下が外交部の定例記者ブリーフィングでの質疑応答です。
『Reuters』記者:
台湾当局は、中国がナウル共和国に資金援助を誘致したと言っています。
中国がナウルに提供する資金の額を教えてもらえますか?毛寧:
ナウル政府が一つの中国の原則を認め、台湾当局とのいわゆる「国交」を断絶し、中国との国交を再開する意思を表明したことは、ナウルが主権国家として自主的・自律的に行った正しい選択であり、一つの中国共産党の原則が人心の意思であり、一般情勢の趨勢であることを十分に示している。
スゴイです。中国がお金を出したからナウル共和国が今回のような電撃断交を行ったのだろう、と真っ向から聞きました。毛寧さんは「あくまでも人心がなさしめたもの」とお金の話にはまともに返事しませんでした。
(吉田ハンチング@dcp)