ロシアは自由主義陣営国の制裁を受けており、自動車の輸入が止まりました。
ロシア国内の工場も閉鎖され、自由主義陣営国メーカーのクルマが(一般には)入手できない――という状況です。
「今がチャンス」と自動車輸出を増やしたのが中国です。中国の自動車企業が「それ行け」をばかりにロシアに大量流入し、Top10セールスのブランドのほとんどが聞いたことのないような中国産自動車になっています。
――で、ロシア人もそのポンコツぶりに怒りを顕にする事態となっているのです。
例えば、ロシア語メディア『NGS.RU』が大変面白い記事を出しています。以下に同記事から一部を以下に引きます。
多くの中国車オーナーが「車は1〜2年の使用で腐り始める」と主張している。
ここ数年、中国製自動車が「高品質で低価格」の触れ込みでロシア市場に大量に流入している。
しかし購入者からは、「わずか数カ月から数年で錆が現れる」との苦情が頻発。不具合発生が早い理由と、中古市場でどう扱われるかについて『NGS』が取材した。
金属はどれも薄い
専門家によれば、中国車は確かに安価だが、その品質もそれ相応である。セルゲイ・メンシコフ氏(90年代から自動車業界に関与、多国間で車両を輸送する事業を展開)は、『NGS』に「中国工場での金属素材と加工品質が腐食の鍵」と指摘。
安価な部材・技術ゆえに、適切にメンテナンスを行っても車体の劣化が早いという。
「クルマに1トンの鉄を使えば良いが、0.5トンだと悪い。中国車は日本車や欧州車より薄い」とメンシコフ氏は言う。
「なぜ価格が安いのか。安い材料と時代遅れ技術に依存しているからだ」
彼はさらに、「中国車が競争力を保つのは、顧客に有利な購入条件を提示するからだ」と続ける。
「安い車だが品質もそれ相応。
中国車はマスマーケット向け。仮に“プレミアム”と銘打っても、BMWやアウディに相当するわけではない」とコメント。
メンシコフ氏は、『Exeed』や『Chery』などで早い腐食報告が頻発しているとも語る。
「全塗装をしても、素地の亜鉛めっき処理がされないと聞く。
輸送段階で錆が出たという話もある。原因は金属そのものか、塗装の品質かだろう」
アレーナ・グリーナ氏(Siberia–Japan社※代表)も同意見。中国車が“廃車同然”とは断言できないが、中国の製造業は品質を重視していないと指摘。
※ロシア・ノヴォシビルスクで、日本(および韓国や中国)から中古車を直接輸入し、販売する事業を行っている会社です(引用者注)。
「量産を重視しており、15–20年使える車だと思う製造者はいない」
彼女によれば、腐食の主要要因は、
金属の薄さ
防錆処理の欠如
塗装の質の低さ――とのこと。
(後略)
さすが「おから工事」が伝統芸の国だといえるでしょう。自国が起こした無法な戦争のせいですが、ロシアの皆さんは中国産のポンコツ自動車を掴まされているのです。
「選択肢がない」――というのはつらいことですね。
(吉田ハンチング@dcp)