韓国で「日本の輸出規制(輸出管理強化)が05月末までに解除されなければ、なんらかのアクションを起こすべき」といった動きがあるそうです。
またぞろ「GSOMIA(General Security of Military Information Agreementの略:軍事情報に関する包括保護協定)破棄」という案の他、
日本への「灯油」の輸出を禁じる
という噴飯物の案があるそうです。
「灯油」の需要はほとんど国内生産で賄える
先からご紹介しているとおり、「石油製品」は韓国の輸出産業の一角を担っており、確かに日本も韓国から「灯油」などを輸入しています。
しかし、日本の「灯油」の輸入量は非常に少ないのです。
なぜなら、自分で原油を輸入して精製し「灯油」を生産できるからです。
『経済産業省』の「石油統計速報 令和2年3月分」(2020年04月30日付け)の中に、「付:令和1年度・石油製品需要概要(速報)」というデータがあります。
ここに石油製品別の需給が示されており、「灯油」は以下のようになっています。
「付:令和1年度・石油製品需要概要(速報)」より「灯油」のデータを抜粋
生産 13,239,564kl 輸入 1,560,934kl 販売 13,621,401kl 輸出 996,240kl ⇒参照・データ引用元:『日本国 経済産業省』「石油統計速報 令和2年3月分」「付:令和1年度・石油製品需要概要(速報)」
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sekiyuso/result/pdf/h2j581011j.pdf
日本で「13,239,564kl」が生産されており、輸入はわずか「1,560,934kl」に過ぎません。販売量と比較して計算しても、輸入で賄われているのはわずか「11.5%」です。
生産量と販売量を比較すると、足らないのはわずか「381,837kl」(2.8%)だけです。つまり、輸出せずに生産量をそのまま国内販売に回して、あと「381,837kl」を増産すれば事足りるのです。
もちろん石油製品の場合には「灯油だけ増産」ということができませんから、面倒くさいのは確かですが(他の石油製品もできちゃうのです)、韓国に禁輸されて困るなんてことにはなりません。十二分に対応が可能と考えられます。
韓国の人は「韓国にできることで日本にできないことはない」という事実を忘れています。
死にかけている精油産業に追い打ちをかける!
また、先にご紹介したとおり韓国の精油企業は現在「死の行進」を続けています(以下の記事を参照いただければ幸いです)。
ここで、日本には禁輸だ!なんて決断をすると、この瀕死の企業の得意先を奪い、さらに傷を負わせることになります。
2019年に起こった「NO JAPAN運動」で韓国航空会社の経営が傾いたのと同じことになるでしょう。
筆者などは「面白いからやってみればいい」と思いますが、韓国精油企業の売上が下がって政府の支援が必要になるだけ、つまり韓国の借金が増えるだけ、というオチがつくのではないでしょうか。
(柏ケミカル@dcp)