韓国の企業も借金を膨らませているという話です。
貸し出し金額は3カ月で52.2兆ウォン増加!
2021年12月02日、『韓国銀行』が「第3四半期 預金取扱機関の産業別貸し出し金」というデータを公表しました。これは各産業でどのくらい銀行から融資を受けているのか、その金額を示す統計です。
韓国は、政府・企業・家計の3部門で負債が増加しており、政府負債・家計負債が異常な速度で増加しています。
このデータはウォン建て融資の中から家計向けを引いたもの、つまりは企業がどのくらい銀行から借金をしているかを示しています(ただし公的機関向けも含まれる)。
まず、全体像ですが以下になります。
2021年第3四半期に、企業への貸し出し金額は52.2兆ウォン(約5.0兆円)も増え、1,530.7兆ウォン(約147.0兆円)に達しました。
特にご注目いただきたいのは、以下の「不動産業」での貸し出し金額の増加です。
※データ引用元は同上
全産業への貸し出し金額「1,530.7兆ウォン」の64.5%を占めるのがサービス業で、その金額は「986.7兆ウォン」。
サービス業の中で不動産業は30%超を占めるのですが、その不動産業は第3四半期に「13.8兆ウォン」(約1.3兆円)増加し、残高は「321.5兆ウォン」(約30.9兆円)に達しました。
この貸し出し金額の増加幅、残高は、『韓国銀行』が統計を取り始めた2008年第1四半期以降で最大です。これまでの最高額は直前の第2四半期でした。
韓国の不動産業界では資金需要が旺盛であることを示しています。
これは、商業用不動産、賃貸業を中心に投資が拡大している現況を反映したものと考えられます。また、個人事業主の苦境に対応して、政府が賃貸金の支援に乗り出したこと(銀行に不動産関連融資支援を行うように指導した)も影響していると見られます。
ただし、不動産価格の調整局面は必ず来ます。その時にどうなるかです。
(吉田ハンチング@dcp)