さすがにフィリピンの心ある人が「首都マニラのすぐそこなのでマズイ!」と判断したようです。先にご紹介したことのある、「サングレー・ポイント・インターナショナルエアポート」の件です。
以下の地図をご覧ください。
マニラ湾に小さな突起部があり、そこにはフィリピン海軍の「カヴィテ海軍工廠」が存在します。そのすぐ西には「Heracleo Alano海軍基地」も。空港を大規模に拡張するため、この海軍施設を移転させようというのが計画でした。
↑こうなる予定。「サングレー・ポイント・インターナショナルエアポート」の完成予想図
しかも、工事を請け負ったのが中国企業『China Communications Construction Corporation』(フィリピンの『MacroAsia Corporation』と共同で請け負い)。
この略称『CCCC』で知られる中国企業は、南シナ海の基地建設に関与したとしてアメリカ合衆国トランプ政権時にブラックリストに加えられた企業なのです。
「誰がハンコ押したんだこの企画」というほど呆れた話ですが、承認したのはロドリゴ・ドゥテルテ大統領(Rodrigo Roa Duterte)です。
しかし、首都を守っているとする海軍はこの計画に大反対。どうなることかと思われたのですが、2021年01月、フィリピン・カビテ州のJonvic Remulla知事が業者承認を白紙撤回しました。
理由は提出した「書類の不備」ということになっています。
本当に不備があったかは分かりませんが、とりあえず『CCCC』は外れました。しかし、計画自体は大統領が承認したママで、まだ生きており、知事は「しかるべき業者を選定する」と述べています。
中国企業は蹴り出されたものの、海軍工廠を取っ払う件もママなため、フィリピン海軍は引き続き反対しております。
(吉田ハンチング@dcp)