中国の諜報活動、浸透工作について日本でも少しずつ話題にされるようになってきましたが、アメリカ合衆国ではその解明、追究が官民問わず行われています。
『Centre for ResponsivePolitics』が独自に調査を行った非常に興味深いデータを公開していますのでご紹介します。
中国の支出は6倍に増加している!
『Centre for ResponsivePolitics』は、「外国代理人登録法」(FARA)に基づいて半年ごとに司法省に提出する必要のあるリポートを使用して、2016~2020年で合衆国に対して支出の多い国を計算しました。
つまり、合衆国に影響を与えようとして使ったお金の多い国を明らかにするものです。
この調査によれば、中国の支出は2016年の約1,000万ドル(約10億9,380万ドル)から2020年の約6,400万ドル(約70億円)まで、6倍強に急騰しています。累計の支出は約1億7,500万ドル(約191億4,150万ドル)です。
非常に巨額ですが、これは氷山の一角です。
なぜなら、合衆国司法省へのリポートを提出しなければならないのは、「外国代理人」とされた企業、組織、人のみだからです。
例えば、完全に中国共産党の支配下にある『新華社通信』が外国代理人に正式登録されたのは、なんと2021年05月になってからです。『新華社通信』は、司法省から3年前に登録の義務があると通知されていたのに行いませんでした。
つまり、これまでのリポートは提出しておりません。このような企業、組織、人は他にもあり、司法省から外国代理人に指定されていない(漏れている)ものもあるでしょう。
例えば、あの「孔子学院」に投入されていた資金は? 当然入っていません。前トランプ政権で初めて「中国共産党の出先機関」と目されたからです。
ですから、中国が合衆国に影響を与えようと投入している資金はこの何倍、何十倍になると考えられるのです。
翻って日本はどうでしょうか? 中国が日本に影響を与えようと投入している資金はどのくらいになるのでしょうか。どこにもそれを推計する元資料はありません。誰も監視していないからです。
⇒データ出典:『OpenSecrets.org』公式サイト「Foreign Lobby Watch」
(吉田ハンチング@dcp)