韓国『サムスン電子』がARMを買わないか――と願望が出る。政治的に無理です

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おいおい……という話です。

読者の皆さまもすでにご存じのとおり、アメリカ合衆国のグラフィックチップ・ボードメーカー『NVIDIA(エヌビデア)』が、ソフトグループ傘下となったチップメーカ『ARM(アーム)』を購入するという話がご破算になりました。

2022年02月08日、『ソフトバンク』グループは以下のようにプレスリリースを出し、売却を諦めて再上場を目指すと公式に表明しました。どうにかして利益を得ないとならないからです。

NVIDIAおよびソフトバンクグループ株式会社(以下「SBG」)は、NVIDIAがSBGからArm Limited(以下「Arm」)の株式を取得する契約を解消したことをお知らせします。

両社は、取引完了のために誠意を持って取り組んできましたが、これを阻む規制上の大きな課題があったため、契約の解消に至りました。

Armはこれに代わり株式上場の準備に入ることとします。
(後略)

⇒参照・引用元:『ソフトバンクグループ』公式サイト「NVIDIAによるArm株式取得の取りやめ、Arm上場へ」

孫さんにとっては「ちぇっ、しゃあないなぁ。ほんじゃ上場だ」でしょうが、韓国メディア『毎日経済』が『サムスン電子』が『ARM』を買えばいいのに、という記事を出しています。

(前略)
一部では今回の2社の結合不発が『サムスン電子』に新たな機会を与えるのではないか、という期待も提起されます。

急に売物となった『ARM』をホワイトナイトのように現れて買収できるという主張です。

実際、『サムスン電子』は昨年、今後3年以内に半導体部門で大規模なM&Aに出ると明らかにした状態です。

特に「2030年システム半導体1位」という目標を掲げただけに、システム半導体とファウンドリー分野のグローバル企業が有力だという見通しが持続的に提起されてきました。

M&Aに実弾で使える『サムスン電子』のキャッシュは100兆ウォン台で十分な状況です。

このため再び自由契約状態になった『ARM』を『サムスン電子』が買収できるという展望もあります。
(後略)

⇒参照・引用元:『毎日経済』「再び売りに出たARM、サムスン電子が買えるか」

とまあ展望を語った後、記事では自身で否定するのですが。

『サムスン電子』が『ARM』を買収するのは恐らく不可能です。

同記事では、『NVIDEA』の場合と同様、名乗りを上げても各国(および企業)が「結合審査」で否定するから無理――としています。

『NVIDIA』が『ARM』を買収する件でも、『Intel(インテル)』や『Qualcomm(クアルコム)』、『Google(グーグル)』『Microsoft(マイクロソフト)』が懸念を表明し、『FTC』(Federal Trade Commissionの略:連邦取引委員会)が「この買収はイノベーションと競争を阻害し、半導体産業で過度に高い統制権を持つことになる」と全会一致で反対。

『サムスン電子』が手を上げてもこのような事態になる可能性は高い――と書いています。

まあそうかもしれませんが、『サムスン電子』の場合は、合衆国が政治的な理由で絶対に『ARM』買収を認めないでしょう。

そうなのです。いつ中国側に走って行くのか分からない国の企業に、システム半導体分野の雄『ARM』を買収させるわけはありません。

『サムスン電子』の半導体事業が切り出されて合衆国企業になれば別でしょうが。

(吉田ハンチング@dcp)

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