アメリカ合衆国が発効した「インフレ抑制法」に韓国がかみついています。
同法の規定では韓国企業が生産する電気自動車に補助金が出ず(正確には購入しても税額控除が適用されない)、これは合衆国と締結したFTA違反だ!と騒いでいるのです。一部ではWTOに提訴するという声も上がっています。
このままでは、せっかく主力輸出製品だと意気込んでいた電気自動車が合衆国市場で売れなくなるかもしれないと、危機感を募らせています。
そこで、韓国与野党議員らがバイデン政権の高官と面談した際に談判に及んだのですが……。
本件を取り上げた韓国メディア『NEWSIS』の記事から一部を以下に引用してみます。
合衆国国務省の招待でワシントンD.C.を訪問した与野党議員らは25日(現地時間)、バイデン政権の核心人物に会い、韓国産の電気自動車を補助金対象から除外するインフレ抑制法(IRA)と関連して遺憾の意を表明したと明らかにした。
合衆国を訪問中のチョン・ジンソク国会議長らは、この日ワシントン特派員と会って「インフレ抑制法の通過による韓国産の電気自動車に対する差別的規定問題に対する国内の懸念声を強く伝えた」と話した。
(中略)
合衆国政府当局者らは面談で「今の状況をよく知っているし、適宜注視している」としながらも「議会決定だからすぐにこの場ではっきりとした解決策を出せない点を理解してほしい」という立場を表したことが分かった。
(後略)
勢い込んで国務省などにねじこんだのですが、合衆国側は「議会決定だからすぐにこの場ではっきりとした解決策を出せない点を理解してほしい」と書いています。
意味するところは、インフレ抑制法の成立は立法府、すなわち議会が決めることなので、政府である自分たちには介入できない、という言い訳です。
どこかで聞いたことのある「三権分立の仕組みがあるので無理」とそっくりな言い分です。
これは一見もっともらしいものの、「国同士の約束は国内法に優越するや否や」に関わる問題で、政府が外交担当をしているのだから、「政府は責任を持てよ」という話ではあるのです。
ですから、簡単にいえば「門前払い」されたのです。
「韓国には三権分立があって司法の判断には介入できない」といって日本政府を門前払いしてきた韓国政府(文在寅前政権)が、合衆国から「合衆国には三権分立があって立法府の判断には介入できない」と一蹴されるとは思ってもみなかったでしょう。
韓国は本当にWTOに提訴するでしょうか。ご期待ください。
(吉田ハンチング@dcp)