韓国もアメリカ合衆国に負けじと基準金利を上げてきました。
基準金利が上昇すると市中金利が上昇。住宅ローンなど、金融機関から融資を受ける際の金利も上がるので、資金調達が難しくなります。利払いの額が多いと借り手も躊躇しますね。
『韓国銀行』の李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁は、年内にあと2回、利上げの機会がありますが、0.25%(=25bp)ずつが望ましいと述べています。
ですので、韓国ではあと0.5%は基準金利が上昇すると見込まれています。
面白いのは、金利の上昇局面であるのに「変動金利を選択する人」が増えていることです。
『韓国銀行』の「ECOS」によれば、2022年07月末時点での家計貸し出し残高のうち、変動金金利を選択している割合は「78.4%」です。
家計の新規貸し出しにおいて、変動金利を選択する割合は「06月:81.6%」⇒「07月:82.2%」。
金利が上がって利払いが増加するのが分かってるのに、変動金利を選択する人は増えているのです。
『韓国銀行』の公表データによると、06月末時点で家計融資残高は「1,757兆9,000億ウォン」。
『韓国銀行』が基準金利を0.25%上げると「貸し出し金利もそのまま0.25%上がる」とすると、
1,757.9兆ウォン × 78.4% × 0.25% = 3兆4,455億ウォン。
『韓国銀行』が基準金利を0.25%上げるごとに「3.4兆ウォン」利払い金額が増えることになります。
利上げがどこまで続くか分かりませんので、所得が脆弱な場合、利払いが膨らむことに耐えかねてデフォルトする家庭が増加する可能性があります。
家計負債の爆弾に火が回ると困るので、韓国政府はデフォルトの連鎖を防がないといけません。
先にご紹介したとおり、韓国政府は安心転換ローンという「変動金利から固定金利へ乗り換える融資」を用意しています。
政府はこれによって、変動金利の割合が「72.7%」まで落ちると読んでいます。
読みどおりにうまくいくかどうかにご注目ください。
(吉田ハンチング@dcp)