韓国の金融市場が風雲急を告げています。
『FOMC』(Federal Open Market Committeeの略:連邦公開市場委員会)が通過したのですが、ウォン安が落ち着きません。
先に記事にしましたとおり、2022年09月22日の外為相場は調整どころか、とうとう「1ドル=1,410ウォン」に達しました。
さすがに韓国通貨当局も注視しているだけじゃダメだ、と判断したようです。
緊急の情報発信がありました。
22日、「緊急マクロ経済金融会議」の後、記者会見の場で『韓国銀行』の李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁は「状況が変わった」と明言しました。
↑「緊急マクロ経済金融会議」の後、質疑応答を行う委員メンバー。李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁は左から二人目。
記者から「0.25%ポイントずつの引き上げ基調がまだ有効だと考えるのか?」という意地悪な質問が出たのですが、これに対して、
「過去数カ月間のフォワードガイダンスには前提条件がある」
「フォワードガイダンス以降の最大の変化は、連邦準備制度理事会の最終金利に対する市場期待が、今日の早朝パウエル議長が話したように、4%水準以上にかなり高まったことだ。
これで安定しないかと期待したが、期待は大きく裏切られた」
と述べました。「フォワードガイダンス」というのは「事前指針予告」です。
Money1でもご紹介してきたとおり、李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁は「span class=”bold”>0.25%(=25bp)ずつの金利上昇が望ましい」と述べていたのですが、その前提となる条件が崩れたと言っています。
恐らく『FRB』(Federal Reserve Boardの略:連邦準備制度理事会)は2022年中「4.00%」超えを見越しているものと思われます。
韓国が基準金利をあと2回、0.25%ずつ上げても「3.0%」にしかなりません。「それではアカン」というわけです。
さらに次の発言です。
「次の金融通貨委員会まで2~3週間の時間がある。委員と共に、このような前提条件の変化が経済成長の流れ、外国為替市場などに及ぼす影響を綿密に検討し、基準金利の引き上げ幅と時期などを決定する」
「0.25%よりも大きくいかないとダメだ」という主旨と受け取れます。
いよいよ韓国の金融当局もスクランブルです。しかし、次の金融通貨委員会まで待っている余裕はあるでしょうか。韓国の識者の中には「緊急でもいいから金利をすぐ上げろ」と主張する方もいらっしゃいます。
もろもろ李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁の決断が見ものです。
(吉田ハンチング@dcp)