中国共産党が市民からの抗議に耐えかねてロックダウン(ゼロコロナ指針)を撤回。急にウイズコロナに舵を切ったのですが、これは想定外と思われる感染拡大を招いています。新規感染者数が以下のように急拡大。
現在はようやく拡大が止まりつつありますが、この余波が韓国を襲いそうです。読者の皆さんも「中国で日本の『パブロンゴールド』が爆売れ」というニュースをご覧になったかもしれませんが、解熱剤が足りなくなってきています。
そのため、中国が解熱剤の成分であるアセトアミノフェンの輸出を絞るのではないかという観測が出ています。
実は韓国は、解熱鎮痛成分であるアセトアミノフェンの80%を中国製造に頼っており、これが制限されると困ったことになりそうなのです。
韓国メディア『ヘラルド経済』の記事から以下に一部を引用してみます。
中国で風邪薬品薄現象がひどくなり、韓国でも風邪薬確保の非常事態が見えてきた。
国内の解熱鎮痛剤成分原料の80%を中国に依存しており、中国が突然輸出を制限すれば、国内でも解熱鎮痛剤不足という非常事態に直面する。
(中略)
問題は、アセトアミノフェン製造の80%を中国が占めるほど、中国の比重が圧倒的に大きいことにある。
もし中国で自国内の需要急増により輸出が制限すれば、国内でも風邪薬非常事態に直面しなければならないわけだ。
これは尿素水、除雪剤などと同様の構造だ。
中国に依存していた尿素水が中国の輸出制限措置以後、国内品帰現象が起き、物流大乱へと飛躍した。
最近では、事実上全量を中国に依存する除雪剤も中国産の価格が急騰し、国内では除雪剤確保に困難を経験している。
(中略)
外信によると、日本はもちろん香港、タイ、シンガポール、台湾、オーストラリアなどで、薬局で風邪薬を大量購入する中国人が増えていると伝えられた。
韓国内でも既に市内のあちこちの薬局で調剤用アセトアミノフェン製剤と小児用解熱剤などが売り切れたことが分かった。
(後略)
80%を中国に依存しているので、もし中国が輸出制限に踏み切ったらマズイ――という話になっています。ただ、まだそうはなっていませんし、なったとしても韓国内の製薬会社で「単価が高い他の製品生産の代わりに単価が安いアセトアミノフェンを生産」すれば、対応可能としています。
ただ仮に中国が輸出制限に踏み切るなどしたら、一時的な混乱は避けられそうにありません。記事内にもありますが、かつての尿素水と同じ話です。
風邪薬の転売ヤーがでなければいいのですが。
(吉田ハンチング@dcp)