2023年03月06日、『韓国貿易協会』(略称「KITA」)の上海支部が非常に興味深いリポートを出しました。
「コロナ19後の中国消費者トレンド調査」というタイトルのリポートで、中国の主要10大都市の消費者1,000人を対象に、中国消費者の「消費トレンド」と「韓国製品の購入状況」を調べたものです。
「韓国製品の購入状況」が要注目です。
まず、韓国製品のイメージについては――。
普通:35.5%
ネガティブ:10.0%
ポジティブと捉える人が過半数を超えています。
ただし、これは2020年の調査結果「ポジティブ:59.5%」からすると「-5%」です。
また、ネガティブな評価をする人は「2020年:3.4%」から「2023年:10%」と「+6.6%」増加しました。
次が興味深いのですが、「韓国製品を購入した経験がある人」は――。
2020年:78.7%
2023年:43.1%
韓国製品の購入経験者は「35.6%」も下落しました。
さらに興味深いのは、
30代:84.8% ⇒ 40.4%
上海:87.0% ⇒ 41.3%
北京:87.0% ⇒ 40.2%
若い世代、一線都市での下落が目立つ点です。
何が売れているかというと――。
食品:55.5%
衣類:45.2%
※複数回答可
で、この品目自体は2020年から変化はありません。ただし、対2020年の購入経験となると――、
食品:-2.1%
衣類:-0.8%
と下落しています。
では韓国製品を購入しなかった理由は?というと――。
第2位 国家イメージ……34.6%
第3位 競争力不足……33.6%
さらに「韓国製品を代替するもの」として「中国製品」を挙げた回答者は「58.2%」となっています。
「韓国製品は中国製品で代替できると考えている人」が約6割ということですから、これは韓国にとってはよくない傾向です。
『KITA』の上海支部長であるソン・ヨンさんは「直近の3年間、新型コロナウイルス感染症で中韓間の人的交流が激減したため、中国の消費市場で韓国製品の地位が急落した」と述べています。
この言葉が最も端的に中国市場における韓国製品の現況を表しているでしょう。
また、ソン支部長は「変化した中国市場に向けて準備された企業と商品を優先的に進出させ『コリア』ブランドイメージを高め、準備が不十分な企業に対してはさまざまな支援を通じて競争力のある商品とマーケティングプランを用意した後、中国市場に進出させる――ツートラック戦略が必要だ」とも述べています。
韓国が対中国貿易で輸出を増やせない、
①韓国製品に代替する製品を中国が作れるようになったこと
②韓国製品のブランド力が中国市場で通用しなくなったこと
が主要な原因と思われるのですが、またぞろ「ツートラック戦略」を提唱しています。
果たしてそのような技が通用するでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)