中国「大株主は売り禁止」の無茶苦茶。プチバブルから下げ始めた北京市場

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『Reuters(ロイター)』が報道し、中国・北京市場当局は否定しています。

すでに読者の皆さんもご存じかと思われますが、『Reuters(ロイター)』は、中国の株式市場の一つ「北京証券市場」において「大株主の株式売却を禁止する」措置が取られた――と報じました。

一報が出た後、『Reuters(ロイター)』は三度記事をアップデートしており、2023年11月27日には以下のような内容となっています(日本語版)。

北京証券取引所は、上場企業の大株主による株式売却を阻止する新方針を事実上導入した。

こうした大規模な売りが上昇基調に冷や水となることを懸念した。事情に詳しい関係筋3人が27日明らかにした。

中国の証取規則によると、「大株主」は5%以上を保有する株主を指し、株式を売却するには該当する証取に申請する必要がある。
(後略)

⇒参照・引用元:『Reuters(ロイター)』「UPDATE 3-EXCLUSIVE-北京証取、上場企業の大株主による株式売却を事実上阻止=関係筋」

5%以上の株式を持つ株主を「大株主」とし、大株主は「株式の売却に当たり当局に申請書を提出」し、「認可を受けなければならない」のです。

しかも、「北京証取はこうした申請の受付を拒否している」のです。これは株式の売却禁止に他なりません。

面白いのは、11月28日には、中国当局が『Reuters(ロイター)』への声明で、「こうした方針に関する話は『事実に基づいていない』。公表された関連指針の趣旨に変更はない」と述べていることです。

中国語メディアでも「当局がそんな措置は取っていないと述べている」という情報が出ています。

時価総額
上海証券取引所:47兆元(上場2,256社
深圳シンセン証券取引所:31.9兆元(上場企業約3,000社
北京証券取引所:0.4兆元(上場企業232社

上掲のとおり、北京市場は2年前に急遽つくったもので、時価総額は3,660億元しかありません。非常に小さな市場なのです。

当局は、この措置によって株価上昇を期待しているわけですが、現在のところプチバブルな様相を見せていたのですが……。以下をご覧ください。北京市場の「北证50」指数の推移です。

2023年10月24日を底に上昇し、「大株主は売ってはならない!」の11月27日にもギャップアップしています。ところが、28日は値を維持できたものの、29日、30日は長い陰線で下落しているのです。

北京証券取引所としては、この上昇を維持したいと思ったのかもしれませんが、現在のところ逆効果だったのではないでしょうか。

一つ確実なのは、外国人投資家はこのような措置に対して「誰がそんな市場にお金を投入するかよ」と思うだろうということです。流動性が担保されない、資金の移動が自由にならない市場など、何の意味もないからです。

(吉田ハンチング@dcp)

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