こういうのを「老害」というのかもしれません。北京で中国外交部の王毅部長(外相に相当)が、日本の福田康夫元首相と会談を行いました。
日本ではあまり一般には知られていませんが「ボアオ・アジアフォーラム」(BAF)という国際会議があります。簡単にいえば、「ダボス会議」のアジア版を目指したもので、中国共産党政府の肝いりで設立されました。中国・海南省にあるリゾート地「博鰲(ボアオ)」で毎年開催されます。
中国政府の肝いりという時点で、もう何をか言わんや――なのですが、2014年には、習近平総書記と李克強総理が「一帯一路などを通じたアジア共同体の構築」を主張しています。
福田さんは、2010~2018年「ボアオ・アジアフォーラム」の理事長を務めていました。
中国経済が目に見えて傾いていますので、福田元首相と会談をして見せて、中国への厳しい目を弱めようというわけです。以下が、中国外交部が出したプレスリリースです。
うんざりしますよ。
2024年03月29日、王毅中国共産党中央委員会政治局委員兼外相は、日本の元首相でボアオ・アジアフォーラム(BFA)前会長の福田康夫氏と北京で会談した。
王外相は、福田元首相がボアオ・アジアフォーラム(BFA)の発展に常に関心を寄せ、積極的に貢献してきたことを高く評価し、「21世紀はアジアの世紀であり、現在の国際情勢は変化と不確定要素が絡み合い、不安定要因が明らかに増加しているが、アジアは総じて平和で安定しており、発展の明るい見通しがある」
「私は、日本と他の地域諸国が、アジアの平和と発展の全体的な状況を維持するために、中国と共に、その反対ではなく、むしろ地域の平和と安定に資することをより多く行うことを希望する」と述べた。
王毅氏は、「昨年末に日中両首脳が重要な合意に達し、両国間の戦略的互恵関係の包括的な推進を再確認し、新時代の要求を満たす建設的で安定した日中関係の構築にコミットし、両国関係の発展に重要な政治的指針を与えた」と述べた。
また、「私は、日本側と中国側が同じ方向に進み、戦略的な高さと長期的な視点から日中関係を把握し、福島原発の汚染水(原文ママ)の海洋放出や両国関係の正常な発展に対するその他の障害に真剣かつ適切に対処し、確立された平和的発展の方向を堅持し、日中関係が安定的で健全な発展を遂げるよう共に推進することを希望する」と述べた。
福田氏は、「ボアオ・アジアフォーラムの影響力の拡大は、中国の善隣外交の推進がますます成果を上げていることを示している。
「日中友好は両国共通の必然的な選択であり、日本企業は中国での投資と繁栄を望んでいる。
日本は中国と協力し、相互理解を深め、対話と意思疎通を強化し、相違点を適切に管理し、日中戦略的互恵関係を共同で推進し、アジアの平和、安定、繁栄の良い勢いを維持するために協力することを望んでいる」と述べた。
⇒参照・引用元:『中国 外交部』公式サイト「王毅会见日本前首相福田康夫」
王毅外相は毎度のことながら、厚顔無恥な主張を繰り返し、福田さんは中国に媚びた発言を行った模様です。
福田さんによると「中国の善隣外交の推進がますます成果を上げている」そうです。また「日本企業は中国での投資を望んでいる」そうです。
媚中派の政治家は中国共産党に利用されるだけですので、中国に行かせるべきではないのです。
(吉田ハンチング@dcp)