韓国ウォッチャーからすれば、「キャスパーってあんた……」と呆れるような話です。
↑『現代自動車』の「キャスパー・エレクトリック」。
「韓国・現代自動車が『輸入車の墓場』と称される日本市場で再起を図る。日本市場の嗜好に合わせた小型電気自動車(EV)『キャスパー・エレクトリック』を投入し、販売戦略を強化する」という記事が出ているそうで……誠に大笑いです。
まず、韓国メディアはすぐに日本を「輸入車の墓場」などといいますが、とんでもない物言いです。
↑表組の一番上が『メルセデス・ベンツ』。
『日本自動車輸入組合』のデータによれば、『メルセデス・ベンツ』の2024年の新車登録台数は「5万3,195台」もあるのです。『BMW』は「3万5,240台」です。
先にご紹介したとおり、『現代自動車』は2024年通年で「618台」しか新車登録されていませんけれども。
キャスパーは日本では「軽」ではない!
キャスパーは特殊な生い立ちのクルマです。
文在寅大統領時代に、光州市に「地場に雇用を増やしてほしい」「他の工場などより給与が安くてもいいから」と泣きつかれた『現代自動車』が、じゃあそこだけで造る車種を造る――として始まりました。
そのため、実は『現代自動車』が製造するクルマではなく、光州型雇用政策※として発足した『光州グローバルモーターズ』(2019年発足)が製造する車種として始まりました。
※光州市から補助金が出て工場労働者の賃金を補填する仕組みになっています。後に労組側が協約にはして「給料をもっとよこせ」と言い出し労使紛争になりました。
↑2021年04月29日に行われた工場の竣工祈念式典には、上掲のとおり文在寅大統領もしっかり登壇。
文在寅前大統領は、光州市の工場で製造されたキャスパーを購入しています。
先にご紹介したとおり、このキャスパーは――文在寅さんから娘のダヘさんに名義が移り、2回の交通違反を犯し、その都度罰金を滞納して――差し押さえられています。
また、2024年10月05日午前2時51分頃、文ダヘさんが飲酒運転でタクシーと接触事故を起こしましたが、このとき乗車していたのもキャスパーです。
ちなみに、キャスパーは「韓国では軽自動車」規格ですが、日韓で「軽自動車」の定義が違いますので、日本に持ってきても「軽自動車」とは認められません。
韓国では、「排気量1,000cc未満、長さ3,600mm、幅1,600mm、高さ2,000mm以下の規格を全て満足する車両」が軽自動車となります(自動車管理法による/2008年01月01日適用)。
また、キャスパーの初代には、「エアコンと後部ガラス熱線を同時にオンにしたときに車両振動が発生する」という珍妙な現象が発生していました(2022年07月)。
その後、電気自動車版の「キャスパー・エレクトリック」(海外名は「インスタ―」)が登場。
これが日本市場に投入される予定――とのことですが、軽自動車ではありませんし、どこまで需要があるのかぜひ注目したいところです。
(吉田ハンチング@dcp)