ドル枯渇の危機に瀕した韓国では、03月19日アメリカ合衆国FRB(Federal Reserve Boardの略:連邦準備制度理事会)が行った「スワップラインの対象国を一時的に拡張する」という発表に「慈雨」「合衆国と通貨スワップ締結!」といった歓呼の声が挙がりました。
それだけドル不足が深刻だったわけですが、ドルがないのは首もないのと同じ。
韓国は、FED(Federal Reserve Systemの略称:連邦準備制度)が用意した2つの仕組みを利用して合衆国から「ドル」を入手することができます。
一つは「ドル流動性スワップ」、もう一つは「FIMAレポファシリティー」です。
(ここのところ)韓国の人、また韓国メディアが「通貨スワップ」、ときに「通貨スワップ協定」と呼んでいるのは「ドル流動性スワップ」のことを指しています。
この二つの仕組みは以下のようになっています。
非常に乱暴にいえば、
「ドル流動性スワップ」は「その国の通貨を担保にドルを貸す」仕組み
「FIMAレポファシリティー」は「その国の保有する合衆国公債を担保にドルを貸す」仕組み
です。
担保が「自国通貨」「合衆国公債」という違いがありますが、どちらもドルの短期借り入れなので、期限が来たら金利を付けてそのお金を合衆国FEDに返済しなければなりません。
韓国メディアでは「合衆国と通貨スワップを結んだので大丈夫」(なにが大丈夫なんだ)みたいな報道がされますけれども、結局は借金ですのでそんなに喜ばしいものでもありません。
※「SOMA」は「System Open Market Account(システム・オープン・マーケット・アカウント)」の略で、NY連邦準備銀行の「システム公開市場勘定」のこと。つまり、合衆国公債を売却するといっても結局FEDに預けることになるわけです。
(柏ケミカル@dcp)