韓国の実体経済の悪化を示すものとして、失業給付(いわゆる失業保険)の増加がしている点をご紹介してきました。2020年11月09日、韓国の雇用労働部が10月の失業給付金額のデータを公表しました。
10月失業給付額:9,946億ウォン
となっています。2020年に入ってからの失業給付額の推移は以下のようになります。
05月に「1兆ウォン」を超え続けてきたのですが、10月にやっと1兆ウォンを切ることができたわけです。しかし、ギリギリで切れた状態です。これがコロナ禍からの回復を示すのかといえば、実は微妙なのです。
というのは、雇用保険加入者(雇用保険に加入できているので要は就業者になります)のデータを見ると、サービス業での回復が大きいのですが、
サービス業
前年同期比:39万3,000人増加(4.2%増加)
うち公共行政部門:19万9,000人増加
前年同期比:39万3,000人増加(4.2%増加)
うち公共行政部門:19万9,000人増加
なので増加部分の半分は公共部門が牽引したわけです。
また製造業は相当に痛めつけられているので、
製造業
雇用保険加入者数:352万5,000人
前年同期比:4万5,000人減少(1.3%減少)
雇用保険加入者数:352万5,000人
前年同期比:4万5,000人減少(1.3%減少)
となっています。製造業での弱さは輸出産業の弱さを示しています。ただし、「1日平均の失業給付の申請者数は減少傾向にある」とのことですので徐々にではありますが、回復も検知されているようです。
もちろん、そうでなければ雇用保険基金の枯渇が早まるばかりです。先にご紹介したとおり韓国の雇用保険基金は2020年末には「5兆ウォン」(約4,500億円)まで減ると見られていたのです(07月時点)。
韓国の雇用保険基金は非常に存続が危ぶまれる状態なのです。
⇒参照・引用元:『韓国 雇用労働部』公式サイト
(吉田ハンチング@dcp)