『韓国銀行』の公表する外貨準備高が信用できるのだろうか、という話です。
『韓国銀行』が2021年08月27日に行った「外貨準備運用の現状と今後の課題」では以下のようなスライドが登場しました。
⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト
一番下のところに見逃せない情報が出ています。
↑青い矢印で「현재기준」と書いているのは「現在の基準」という意味です。
「1997年:アジア通貨危機」時の12月末プレスリリースで『韓国銀行』は「204.1億ドル」としたのですが、現在の基準に照らし合わせてみれば、流動性の高い外貨準備高は「88.7億ドル」(公表外貨準備の43.5%)しかなかった、と書いています。
公表していた204.1億ドルのうち流動性資産が88.7億ドルしかなかったのであれば、残りの115.4億ドルはなんだったんだ、という話です。
つまりこれは、今や広く知られている、アジア通貨危機時に公表していた外貨準備高がうそだったことを自ら認めた記載です。
そもそも定義上は、外貨準備は、通貨危機などの際にすぐに使えるものでなければなりません。『IMF』(International Monetary Fundの略:国際通貨基金)はそう規定していますし、その定義に従って各国は発表しているはずなのです。
しかし、実際の計上は、やはり国によってはお手盛りなっているのではないかと疑われます。つまり「どこまでがスグに使えるのか」の判断などはその国の金融当局に任されます。
「いやぁ、あの時は参ったね」では済みません。韓国は、現在はきちんとスグに使える、金融当局管理の資産だけを外貨準備高に計上できているのでしょうか。
ネット上では「韓国が外貨準備として持つと公表しているSecurities(証券類)はほとんどがジャンク債」などといわれますが、それ以前に、きちんと計上されているのかどうかが、まず問われるべきではないでしょうか。
(柏ケミカル@dcp)