韓国の株式市場でもご多分に漏れず年金基金はビッグプレーヤーです。
時に韓国の個人投資家からは「年金基金が買わないから株価が上がらないんだ」といった恨みがましい声が上がるのですが、これは年金基金が独自のポートフォリオで売買を行っているためです。
年金基金は2021年に入ってから22兆を売り越し!
先にご紹介したことがありますが、年金基金は国内の株式は全資産の「○%」といった基準でポートフォリオを組んでいます。例えば、「国民年金基金」の場合は、韓国株式は「総資産の16.8%」(±3%)というルールがあります。
この「16.8 ±3%」を超えた場合には、その分を売却しなければなりません。個人投資家の皆さんには不服かもしれませんが、これがポートフォリオを守るということです。
で、韓国取引所によれば、2021年に入ってから09月16日までに年金基金は22兆4,874億ウォン(約2兆913億円)を売り越したことが分かりました。
これは2020年と比較して8倍以上の金額です。
しかも売却した株式銘柄は韓国を代表する大型株ばかりです。
『サムスン電子』を9兆ウォン(約8,370億円)以上、『SKハイニックス』『LG化学』『Naver(ネイバー)』なども1兆ウォン(約930億円)以上を売り越しています。
韓国株式市場は上昇するのか
ポートフォリオ上の制約で売り続けているわけなので、個人投資家の意に反し、年金基金が買い越しに転じるのは、韓国株式市場が下げに転じたときになると考えられます。下がらないと買わないよ、というわけです。
一部の識者は年末まで年金基金の売り越しは継続するのでは……と指摘しています。2021年も残すところ3カ月余りとなりましたが、韓国株式市場でさらなる上昇はあるでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)