韓国は「半導体強国」と自称していますが、半導体の中でも「メモリー半導体」に偏っています。
半導体とひと口にいっても大きく「システム半導体」「メモリー半導体」に分かれます。
システム半導体の代表的なものは、「インテルはいってる」のCPU。また、スマホの頭脳であるAP(アプリケーション・プロセッサー)、『NVIDIA』がリードするグラフィック描画用のGPUなどなど、簡単にいえば演算を行うチップです。
対するメモリー半導体は、簡単にいえば演算用チップが利用する記憶装置です。
韓国が製造している半導体は、メモリー半導体がほとんどであり、『サムスン電子』がスマホ用のAPを開発・製造したりしてはいますが、それはごくわずかで、韓国の場合、システム半導体とメモリー半導体の比率はほぼ「9:1」(金額)といわれています。
メモリー半導体での世界シェアはおおむね60%ぐらいですが、システム半導体では3%ほどしかないのです。
ちなみに以下のようなデータもあります。
『サムスン電子』半導体事業部:76.2%
『SKハイニックス』:94.0%
このように半導体強国の内実は「メモリー半導体強国」です。
この不均衡が世界的半導体不足といわれる中、韓国の半導体産業に不利益をもたらすという指摘が出ています。
どういうことかというと、今回の世界的半導体不足は、まずシステム半導体が足りないのです。メモリー半導体はそのシステム半導体が使う記憶装置なので、システム半導体が足りずにサーバーやスマホなどの製品が作れなければ、メモリー半導体は要りません。
そもそもメモリー半導体の需要はシステム半導体の需要に大きく掣肘されます。
システム半導体の供給がスムーズになるまでは、コロナ禍からの回復の中、慌てて製造したメモリー半導体の在庫は積み上がるしかないのです。
韓国はメモリー半導体に偏った開発・製造をなんとかしないと、やがて中国に追いつかれ、抜かれかねません。
(吉田ハンチング@dcp)