非常に深刻な事態になりました。他でもない韓国に懸念される資金流出の件です。
2022年07月12日、『韓国銀行』が「2022年06月の国際金融外国為替市場動向」を公表しました。
このデータの中に、韓国の有価証券(Securities)市場における外国人投資家の資金投入状況を伝えるものがあります。Money1では定点観測のように毎月ご紹介しているのですが、当月は大変にまずいことになっています。
以下をご覧ください。
これは買収額から売却額を引いた「純買収金額」です。
プラスの場合は、買収額の方が多く、その金額だけ韓国に資金流入があったことを示します。つまり買い越しです。
マイナスの場合は、売却額の方多く、その金額だけ韓国から資金流出があったことを示します。つまり売り越しです。
上掲のとおり、2022年06月は、株式を「30.0億ドル」も売り越し、債券の買い越しが「22.3億ドル」であったため、株式・債券合わせて「-7.8億ドル」。
つまり、7.8億ドルが韓国から流出しました。
事態はそれにとどまりません。ご注目いただきたいのは、2022年の累計です。
ちょうど上半期のデータが締まったのですが、株式は「125.3億ドル」もの売り越し、債券は「119.5億ドル」の買い越しであるため、合わせて「-5.8億ドル」。
ついに、外国人投資家は韓国の有価証券市場から資金流出に転じたのです。
これがどれほど深刻な事態かと言うと、上掲の年次の外国人投資家による資金投入規模を見ていただければ分かります。
2020年:+34.7億ドル
2021年:+387.1億ドル
コロナ禍の中の2020年でも、株式・債券合わせれば「34.7億ドル」の資金流入でした。2021年は「387.1億ドル」と巨額の資金流入でした※。
ところが、2022年は6カ月たった時点で「-5.8億ドル」なのです。流出に転じたのです。
外国人投資家が資金を韓国から引き上げる兆候を見せています。いまだ債券は22.3兆ウォン買い越しですが、この買い越し金額が縮小した場合、あるいは売り越しに転じた場合、韓国は外貨流出に耐えられるのか、という深刻な問題が浮上するでしょう。
※表組にあるとおり、株式は純売り越しで、債券において巨額の純買い越しである点にもご注目ください。債券は株式とは違います。元利を返済しなければならないのです。つまり債務です。それが2021年には「561.5億ドル」も積み上がっています。外貨の流出が続けば「債務を償還できるのか」が懸念されて当然です。
(吉田ハンチング@dcp)